さぶらふ人びと御後 桐壺09章05
原文 読み 意味
さぶらふ人びと 御後見たち 御兄の兵部卿の親王など かく心細くておはしまさむよりは 内裏住みせさせたまひて 御心も慰むべくなど思しなりて 参らせたてまつりたまへり
01131/難易度:☆☆☆
さぶらふ/ひとびと おほむ-うしろみ-たち おほむ-せうと/の/ひやうぶきやう-の-みこ/など かく/こころぼそく/て/おはしまさ/む/より/は うちずみ/せ/させ/たまひ/て み-こころ/も/なぐさむ/べく/など/おぼし-なり/て まゐら/せ/たてまつり/たまへ/り
四の宮に仕える人々後見の人たち男兄弟の兵部卿の親王などは、こんな風に心細くお暮らしになるよりは宮中にお住いになされば、お気持ちも慰まれましょうしなどとお考えになり、参内なされるようにして差し上げた。
文構造&係り受け
主語述語と大構造
- 思しなりて参らせたてまつりたまへり 三次元構造
〈さぶらふ人びと 御後見たち 御兄の兵部卿の親王など〉 〈[四の宮]〉かく心細くておはしまさむよりは 内裏住みせさせたまひて 〈御心〉も慰むべくなど思しなりて 参らせたてまつりたまへり
助詞と係り受け
さぶらふ人びと 御後見たち 御兄の兵部卿の親王など かく心細くておはしまさむよりは 内裏住みせさせたまひて 御心も慰むべくなど思しなりて 参らせたてまつりたまへり
「内裏住みせさせたまひて」:接続助詞「て」があるので「御心も慰むべく」の間は一呼吸置く感じ。「て」がない場合「内裏住みせさせたまひ」→「慰むべく」
さぶらふ人びと 御後見たち 御兄の兵部卿の親王など かく心細くておはしまさむよりは 内裏住みせさせたまひて 御心も慰むべくなど思しなりて 参らせたてまつりたまへり
助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
助動詞の識別:む させ べく せ り
- む:仮定・む・連体形
- させ:尊敬・さす・連用形
- べく:当然・べし・連用形
- せ:使役・す・連用形
- り:完了・り・終止形
敬語の区別:さぶらふ 御 御 おはします させたまふ 御 思す 参る たてまつる たまふ
さぶらふ人びと 御後見たち 御兄の兵部卿の親王など かく心細くておはしまさむ より は 内裏住みせさせたまひて 御心も慰むべく など思しなりて 参らせたてまつりたまへり
尊敬語 謙譲語 丁寧語
古語探訪
兵部卿の親王 01131
源氏物語の光源氏と並ぶ主人公である紫の上の父宮。すなわち紫の上は藤壺の姪にあたる。