ものなども聞こし召 103

2021-02-2401 桐壺01章~10章,,たり(完了)

原文 読み 意味 桐壺第07章23@源氏物語

ものなども聞こし召さず 朝餉のけしきばかり触れさせたまひて 大床子の御膳などはいと遥かに思し召したれば 陪膳にさぶらふ限りは 心苦しき御気色を見たてまつり嘆く

もの/など/も/きこしめさ/ず あさがれひ/の/けしき/ばかり/ふれ/させ/たまひ/て だいしやうじ/の/お-もの/など/は/いと/はるか/に/おぼしめし/たれ/ば はいぜん/に/さぶらふ/かぎり/は こころぐるしき/み-けしき/を/み/たてまつり/なげく

食事などもお召し上がりにならず、朝粥は形ばかり箸をおつけになって、昼のお膳などとうてい手が出ないとお思いなので、給仕の者はお仕えしている間はつらそうなご様子をお見受けして嘆く。

文構造&係り受け 01-103

主述関係に見る文構造(ば…は…を見たてまつり嘆く:二次

〈[帝]〉ものなども聞こし召さず 朝餉のけしきばかり触れさせたまひて 大床子の御膳などはいと遥かに思し召したれ 陪膳にさぶらふ〈限り〉は 心苦しき御気色を見たてまつり嘆く

色分:〈主語〉助詞・述語 [ ]:補充 //挿入 |:休止 @@@@@@@@:分岐

機能語に見る係り受け

ものなども聞こし召さず 朝餉のけしきばかり触れさせたまひて 大床子の御膳などはいと遥かに思し召したれば 陪膳にさぶらふ限りは 心苦しき御気色を見たてまつり嘆く

「朝餉のけしきばかり…思し召したれ」:「ものなども聞こし召さず」の具体例

助詞・助動詞の識別:

ものなど聞こし召さ 朝餉けしきばかり触れさせたまひ 大床子御膳などいと遥かに思し召したれ 陪膳さぶらふ限り 心苦しき御気色見たてまつり嘆く

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

敬語の区別:

ものなど も聞こし召さず 朝餉のけしきばかり触れさせたまひて 大床子の膳など はいと遥かに思し召したれ ば 陪膳にさぶらふ限りは 心苦しき気色を見たてまつり嘆く

尊敬語 謙譲語 丁寧語

古語探訪;失われた意味を求めて
朝餉 01-103

朝餉の間で食べる簡単な食事。

大床子の御膳 01-103

大床子の座で食べる正式な食事。

さぶらふ限り 01-103

帝に奉仕している間は。さぶらはない場合を想定している。次注「嘆く」参照。

〈テキスト〉〈語り〉〈文脈〉の背景

嘆く 01-103:三度繰り返されるのは数え切れない民の声

「陪膳にさぶらふ限り…嘆く/01-103」「すべて近うさぶらふ限り…嘆く/01-104」「(主体明記せず)…嘆く/01-105」と三度繰り返される。二度目までは帝の前で奉仕している場合、三度目は主体が明記されないが、「いとたいだいしきわざなり/01-103」という強い口吻からすると、帝の反対勢力であろう。ただし、「さぶらふ限り」と対比されていることから、陰口であり、面前でないので、帝への批判を伴うことができるのだろう。三度繰り返すのは昔語りの手法である。

耳でとらえる;立ち現れる〈モノ〉

語りの対象:給仕を務める帝付きの女房

ものなども聞こし召さず》 A
食事などもお召し上がりにならず、


朝餉のけしきばかり触れさせたまひて 大床子の御膳などはいと遥かに思し召したれば》B
朝粥は形ばかり箸をおつけになって、昼のお膳などとうてい手が出ないとお思いなので、


陪膳にさぶらふ限りは心苦しき御気色を見たてまつり嘆く》 C
給仕の者はお仕えしている間はつらそうなご様子をお見受けして嘆く。

反復型:A~AB<C:A~AB<C

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置
〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用