わざとの御学問はさ 118

2021-01-2301 桐壺01章~10章,なり(断定),,べし

わざとの御学問はさるものにて琴笛の音にも雲居を響かしすべて 原文 読み 意味 桐壺第8章13/源氏物語

わざとの御学問はさるものにて 琴笛の音にも雲居を響かし すべて言ひ続けばことごとしううたてぞなりぬべき人の 御さまなりける

わざと/の/ご-がくもん/は/さる/もの/にて こと/ふえ/の/ね/に/も/くもゐ/を/ひびかし すべて/いひ-つづけ/ば/ことごとしう/うたて/ぞ/なり/ぬ/べき/ひと/の おほむ-さま/なり/ける

漢詩文など正式な学問はもとより、琴や笛の音色でも評判は宮中に響き渡り、美点をすべて並べつづけると仰々しく疎ましく思えてしまうそんなご様子でした。

大構造(人の御さまなりける/三次)& 係り受け

〈[御子]〉わざとの御学問はさるものにて 琴笛の音にも雲居を響かし 〈[私=語り手]〉すべて言ひ続け ことごとしううたてぞなりぬべき人の 御さまなりける

主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

「雲居を響かし」は連用中止法。


「うたてぞなりぬべき人の御様」:係助詞「ぞ」の結びは連体形の「べき」だが、「人の御さま」を修飾するため流れと考える。


「人の御さまなりける」:文末「ける」は「の」に対する結び(連体終止法と考えてもよい)

桐壺 注釈 第8章13

わざとの御学問 01-118

しっかりと態度でのぞむべき学問、貴族社会では必須である学問、即ち漢学。

さるものに 01-118

当然の立派に身につけ。

雲居 01-118

雲があるように敷居の高い場所、即ち、宮中。

ことごとしう 01-118

度重なることからくる仰々しさ。「ものものし」のような威圧感はない。うるさい。

うたて 01-118

物事がどんどん進んでいくことについて行けない感覚。読者が引いてしまうだろうとの弁明。相人が光源氏の将来を危ぶむ時に、なぜだろうと読者が驚きを感じるためにも、ここは光源氏の万能ぶりをアピールしておきたいという文脈上の要請がある。それにしても大袈裟だなと感じてしまう。

助詞の識別/助動詞の識別:

わざと御学問さるもの 琴笛雲居響かし すべて言ひ続けことごとしううたてなりべき 御さまなりける

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

敬語の識別:

わざとの学問はさるものに て 琴笛の音に も雲居を響かし すべて言ひ続けばことごとしううたてぞなりぬ べき人の さまなり ける

尊敬語 謙譲語 丁寧語

附録:耳からの情報処理(語りの対象 & 構造型)

語りの対象:光源氏語り手

わざとの御学問はさるものにて》A
漢詩文など正式な学問はもとより、


琴笛の音にも雲居を響かし》B
琴や笛の音色でも評判は宮中に響き渡り、


すべて言ひ続けば・ことごとしううたてぞなりぬべき人の 御さまなりける》C・D
美点をすべて並べつづけると仰々しく疎ましく思えてしまうそんなご様子でした。

中断型:A|B|C<D:A、B、C<D

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用