内裏にも御けしき賜 154

2020-09-14☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺,04 公的生活/出世・祝賀・行事,たり(完了),めり,

桐壺 原文 かな書き 現代語訳 第10章14

内裏にも御けしき賜はらせたまへりければ さらばこの折の後見なかめるを 添ひ臥しにもと もよほさせたまひければ さ思したり

うち/に/も/み-けしき/たまはら/せ/たまへ/り/けれ/ば さらば/この/をり/の/うしろみ/なか/める/を そひぶし/に/も/と もよほさ/せ/たまひ/けれ/ば さ/おぼし/たり

帝へもご内諾を賜れるように画策なさっておられ、ならばこの折りの後見もないようだから、添臥にでも、とお促しになったので、その心づもりで今日を迎えた。その心づもりで今日を迎えた。

桐壺 注釈 第10章14

内裏にも御けしき賜はらせたまへりけれ 01-154

「御けしき」は帝の承諾。「賜はらせたまへ」は「賜う/帝が臣下に与えるの尊敬語」+「る/受身」+「す/使役」+「たまふ/使役を働きかけた者への敬意」。帝から内諾を与えてもらえるように左大臣が働きかけをなさったとの意味。東宮からの入内の希望を断り、光源氏に娘をやるとなると、帝の承諾が必要であろう。確かな後見のいない光源氏を心配していた帝にしても、それは渡りに船であった。光の君を私物として東宮にもまして愛情を注いで来られた帝のご様子を見てきた左大臣にしても、帝の心配を察しとっていたに違いない。両者の思惑は一致していたのである。

この折 01-154

光源氏の元服時。右大臣は娘の結婚時期を、光源氏の元服時を狙って、帝に相談したことが知られる。

添ひ臥し 01-154

元服の夜に添寝する公卿の娘のこと。

もよほさせたまひ 01-154

うながす、気をむける。

さ思したり 01-154

左大臣もそう考えて、今日の元服の儀式に至っているとの意味。「たり」は現在まで続くの意味。

語りの対象&構造型

対象:左大臣光源氏葵の上

内裏にも御けしき 賜はらせたまへりければ》A
帝へもご内諾を賜れるように画策なさっておられ、


さらばこの折の後見なかめるを 添ひ臥しにも と・もよほさせたまひければ・ さ思したり》B・C・D
ならばこの折りの後見もないようだから、添臥にでも、とお促しになったので、その心づもりで今日を迎えた。

分岐型:A<(B<)C<D:A<C<D、B<C

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

情報の階層&係り受け

構文:ばさ思したり/三次

〈[左大臣]〉内裏にも御けしき賜はらせたまへりけれ  さらばこの折の〈後見〉なかめる  添ひ臥しにもと  〈[帝]〉もよほさせたまひけれ  さ思したり

主〉述:一朱 二緑 三青 四橙 五紫 六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

附録

助詞の識別

内裏 御けしき賜はらたまへ けれ  さら後見なかめる  添ひ臥し  もよほさたまひけれ  さ思したり

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

敬語の識別

内裏に もけしき賜はらたまへり けれ ば さらばこの折の後見なかめる を 添ひ臥しに も と もよほさせたまひけれ ば さ思したり

尊敬語 謙譲語 丁寧語