命婦かしこに参で着 053

2020-09-0701 桐壺01章~10章☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺01章~10章

桐壺 原文 かな書き 現代語訳 第5章04

命婦かしこに参で着きて 門引き入るるより けはひあはれなり

みやうぶ/かしこ/に/まで/つき/て /かど/ひき-いるる/より /けはひ/あはれ/なり

命婦が里に行き着き門より牛車を引き入れるや、あたりには哀感が漂っておりました。

解釈の決め手

引き入るる:ためらい

力を込めて引っ張り入れる。後に「えも乗りやらず/01-076」とあるので、牛車を引き入れたことがわかる。牛車までも、心理的抵抗のある場所というニュアンスを受ける。自動詞は四段活用、他動詞は下二段活用。

桐壺 注釈 第5章04

命婦 01-053

後宮の女官で五位以上の女性、または五位以上の官人の妻。

かしこ 01-053

桐壺更衣の実家である母北の方の家。

あはれなり 01-053

心を強く揺さぶる感情。語り手と命婦が一体化している。これ以降も一体化はつづく。

語りの対象&構造型

対象:帝の使者である命婦里の様子

命婦かしこに参で着きて 門引き入るる より》A
命婦が里に行き着き門より牛車を引き入れるや、


けはひあはれなり》B
あたりには哀感が漂っておりました。

直列型:A<B:A<B

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

情報の階層&係り受け

構文:より…あはれなり/二次

〈命婦〉かしこに参で着きて 門引き入るる より 〈けはひ〉あはれなり

主〉述:一朱 二緑 三青 四橙 五紫 六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

「より」は一般に格助詞だが、用法により接続助詞とする説がある。ここでも「より」の前後で主語が一致しておらず、接続助詞と考える方が理にかなう。

附録

助詞の識別

命婦かしこ参で着き 門引き入るるより けはひあはれなり

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

敬語の識別

命婦かしこに参で着きて 門引き入るるより けはひあはれなり

尊敬語 謙譲語 丁寧語