かく忌ま忌ましき身 080

2020-09-07☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺,分岐型,分配型,なり(断),べし,

桐壺 原文 かな書き 現代語訳 第6章16

かく忌ま忌ましき身の添ひたてまつらむも いと人聞き憂かるべし また見たてまつらでしばしもあらむは いとうしろめたう思ひきこえたまひて すがすがともえ参らせたてまつりたまはぬなりけり

かく/いまいましき/み/の/そひ/たてまつら/む/も いと/ひとぎき/うかる/べし また/み/たてまつら/で/しばし/も/あら/む/は いと/うしろめたう/おもひ/きこエ/たまひ/て すがすが/と/も/え/まゐら/せ/たてまつり/たまは/ぬ/なり/けり

このように不吉な身が付き添い申すのもまことに世間での通りが悪かろうし、と言ってお顔を拝み申さずしばしもいるなど全く気が気ではなかろうと、ご案じ申し上げて、すんなりとは参内させてお上げにはなりませんでした。

桐壺 注釈 第6章16

添ひたてまつらむ 01-080

若宮と宮中に同道すること。

うしろめたう 01-080

愛着のある対象を見守りたい思いで、それがかなわない時の強い感情。(ここも形容詞の連用形+思ふ)

思ひきこえたまひ 01-080

「思ひ」+謙譲語「きこえ」+尊敬語「たまひ」。母君に尊敬語が扱われているので、ここは地の文。「うしろめたう」までが会話を直説法で表している。

すがすがともえ参らせたてまつりたまはぬ 01-080

気持ちが停滞するさま。「え…ぬ」+「参る」+使役「せ」+謙譲語「たてまつり」+尊敬語「たまひ」。

語りの対象&構造型

対象:母君

かく忌ま忌ましき身の添ひたてまつらむもいと人聞き憂かるべし》 A
このように不吉な身が付き添い申すのもまことに世間での通りが悪かろうし、


また見たてまつらでしばしもあらむはいとうしろめたう・思ひきこえたまひて》B・C
と言ってお顔を拝み申さずしばしもいるなど全く気が気ではなかろうと、ご案じ申し上げて、


すがすがともえ参らせたてまつりたまはぬなりけり》D
すんなりとは参内させてお上げにはなりませんでした。

分岐型・分配型:Aφ*A+B<C<D:A、*A+B<C<D

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

情報の階層&係り受け

構文:もえ参らせたてまつりたまはぬなりけり/四次

〈[母君]〉かく忌ま忌ましき〈身の〉添ひたてまつらむ 〈[の]〉もいと人聞き憂かるべしまた見たてまつらでしばしもあらむ 〈[こと]〉はいとうしろめたう 思ひきこえたまひてすがすがともえ参らせたてまつりたまはぬなりけり

主〉述:一朱 二緑 三青 四橙 五紫 六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

係り受け&主語述語

「かく忌ま忌ましき〈身の〉添ひたてまつらむもいと人聞き憂かるべし」「また見たてまつらでしばしもあらむはいとうしろめたう」(Aも、またBも)(並列)→「思ひきこえたまひ」


「身の添ひたてまつらむ」:A「主格」のB連体形


「思ひきこえたまひ」:「思ふ」+謙譲語(「思ふ」の対象である若宮に対する敬意)「きこえ」+尊敬語(「思ふ」の主体である母北の方に対する敬意)「たまひ」


「え参らせたてまつりたまはぬ」:「え…ぬ」+「参る」+使役「せ」+謙譲語「たてまつり」+尊敬語「たまひ」

附録

助詞の識別

かく忌ま忌ましき身添ひたてまつら  いと人聞き憂かるべし また見たてまつらしばしあら  いとうしろめたう思ひきこえたまひ すがすがとえ参らたてまつりたまは なり けり

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

敬語の識別

かく忌ま忌ましき身の添ひたてまつらむ も いと人聞き憂かるべし また見たてまつらでしばしもあらむ は いとうしろめたう思ひきこえ たまひて すがすがともえ参らたてまつり たまはぬ なり けり

尊敬語 謙譲語 丁寧語