荒き風 ふせぎし 086 ★★★

2021-01-2201 桐壺01章~10章,05 空間/天候・風景・自然・環境,08 物語の構造/歌

荒き風ふせぎし蔭の枯れしより小萩がうへぞ静心なきなどやうに乱りがはしき 原文 読み 意味 桐壺第7章06(85・86共通)

(御返り御覧ずれば いともかしこきは置き所もはべらず かかる仰せ言につけても かきくらす乱り心地になむ)
 荒き風 ふせぎし蔭の枯れしより 小萩がうへぞ静心なき
などやうに乱りがはしきを 心をさめざりけるほどと御覧じ許すべし

(おほむ-かへり/ごらんずれ/ば いと/も/かしこき/は/おきどころ/も/はべら/ず かかる/おほせごと/に/つけ/て/も かき-くらす/みだりごこち/に/なむ)
 あらき/かぜ/ふせぎ/し/かげ/の/かれ/し/より こはぎ/が/うへ/ぞ/しづごころ/なき
など/やう/に/みだりがはしき/を こころ/をさめ/ざり/ける/ほど/と/ごらんじ/ゆるす/べし

(母君からの返書をご覧になる、なんとも恐れ多い仰せ事は捨て置くこともできません。あのようなお言葉を戴くにつけても一面の闇に心は乱れるばかりで、)
表の歌意:強風をふせいでくれた木が枯れたのでそれ以来、小萩の身の上が心配でなりません。どうか若宮のことをお願いします。
裏の歌意:宮中を揺るがす嵐で娘が亡くなってからというもの帝は平静さを失ってしまわれた、どうか若宮のことをもっと気にかけて下さい。
などと不謹慎な詠みぶりに、気持ちが収まらない折りだからと帝は大目に見ておいでのようでした。

※ 注釈・助詞・助動詞・敬語の識別などの説明は085参照

附録:耳からの情報処理(語りの対象 & 構造型)(85・86共通)

語りの対象:母君対抗勢力桐壺更衣(歌意表)光源氏・(歌意裏)父帝

御返り御覧ずれば》 A
母君からの返書をご覧になる、


いともかしこきは置き所もはべらず》 B
なんとも恐れ多い仰せ事は捨て置くこともできません。


かかる仰せ言につけても かきくらす乱り心地になむ》C
あのようなお言葉を戴くにつけても一面の闇に心は乱れるばかりで、


荒き風 ふせぎし蔭の枯れしより 小萩がうへぞ静心なき》 D
表の歌意:強風をふせいでくれた木が枯れたのでそれ以来、小萩の身の上が心配でなりません。どうか若宮のことをお願いします。
裏の歌意:宮中を揺るがす嵐で娘が亡くなってからというもの帝は平静さを失ってしまわれた、どうか若宮のことをもっと気にかけて下さい。


などやうに乱りがはしきを》 E
などと不謹慎な詠みぶりに、


心をさめざりけるほどと御覧じ許すべし》F
気持ちが収まらない折りだからと帝は大目に見ておいでのようでした。

分岐型・中断型:A<(B<|C<D<)E<F:A<E<F、B、C<D<E

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用