はじめより我はと思 002

入内当初より我こそ正妻だと気負っておいでの女御方は、目障りでならぬと、おとしめそねみになる。
同じほど それより 003

同じ位やそれより下位の更衣たちは、まして気が休まらない。
上達部上人などもあ 005

上達部や殿上人なども対処に困り目をそむける一方で、まったく見も当てられないご寵愛ぶりですな。唐土でもこうしたことが原因となって、世も乱れ災厄を招くものですと、ようやく広く世間でも、道を外れた扱いに窮する悩みの種となり、果ては楊貴妃の名 ...
先の世にも御契りや 007

先の世でも帝とのご縁が深かったのであろうか、この世にない気品のそなわった玉のような御子までお生まれになった。
一の皇子は右大臣の 009

第一皇子は右大臣家の娘である女御がお産みの御子で世の信頼が厚く、紛がうことなき次期皇太子だと、世間は大切に慈しみ申し上げているけれど、若宮が放つ魅力には及ぶべくもないことなので、第一皇子は公(おおやけ)として相応に尊ばれたのに対して、 ...