年ごろうれしく面だ 068

2020-09-0701 桐壺01章~10章☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺01章~10章

桐壺 原文 かな書き 現代語訳 第6章04

年ごろうれしく面だたしきついでにて立ち寄りたまひしものを かかる御消息にて見たてまつる 返す返すつれなき命にもはべるかな

としごろ/うれしく/おもだたしき/ついで/にて/たちより/たまひ/し/もの/を かかる/おほむ-せうそこ/にて/み/たてまつる かへすがへす/つれなき/いのち/に/も/はべる/かな

年来は喜ばしく晴れがましい機会にお立ち寄りいただきました運命であったものを、このようなご用向で今お目にかかるのは、返す返すもままならぬ命ですこと。

解釈の決め手

つれなき命:逆順

「つれなし」は連れがないことから生じる感情が原義。娘だけを奪って、私を置き去りにした運命。娘の末期の歌「命なりけり」と呼応する。

桐壺 注釈 第6章04

面だたしき 01-068

世間に誇れる。帝の寵愛が娘に向かっているなどの報告が命婦からあったのであろう。

かかる御消息 01-068

帝からの娘の死の弔意。

語りの対象&構造型

対象:母君命婦

年ごろうれしく面だたしきついでにて 立ち寄りたまひしもの 》 A
年来は喜ばしく晴れがましい機会にお立ち寄りいただきました運命であったものを、


かかる御消息 にて見たてまつる》B
このようなご用向で今お目にかかるのは、


返す返すつれなき命にもはべるかな》 C
返す返すもままならぬ命ですこと。

直列型:A<B<C:A<B<C

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

情報の階層&係り受け

構文:命にもはべるかな/四次

〈[母君]〉年ごろうれしく面だたしきついでにて〈[命婦]〉立ち寄りたまひし ものを かかる御消息にて見たてまつる 返す返すつれなき命にもはべるかな

主〉述:一朱 二緑 三青 四橙 五紫 六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

係り受け&主語述語

「立ち寄りたまひしものを」→「見たてまつる」(過去の「し」と現在の「つる」の対比)

附録

助詞の識別

年ごろうれしく面だたしきついでにて立ち寄りたまひ もの  かかる御消息にて見たてまつる 返す返すつれなき命 はべるかな

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

敬語の識別

年ごろうれしく面だたしきついでにて立ち寄りたまひし もの を かかる消息にて見たてまつる 返す返すつれなき命に もはべるかな

尊敬語 謙譲語 丁寧語