女御とだに言はせず 041

2021-01-2101 桐壺01章~10章,す・さす,,なり(断),,る・らる

女御とだに言はせずなりぬるがあかず口惜しう思さるれば 原文 読み 意味 桐壺第4章06/源氏物語

女御とだに言はせずなりぬるが あかず口惜しう思さるれば いま一階の位をだにと 贈らせたまふなりけり

にようご/と/だに/いは/せ/ず/なり/ぬる/が あかず/くちをしう/おぼさ/るれ/ば いま/ひと-きざみ/の/くらゐ/を/だに/と おくら/せ/たまふ/なり/けり

生前后(きさき)はおろか女御とさえ呼ばせずに終ったことが、残念でならぬとお考えなので、せめて一階級だけでもと贈られたのです。

女御とだに言はせずなりぬるがあかず口惜しう思さるれば 大構造(ば…と…贈らせたまふなりけり/三次)& 係り受け

〈[帝]〉女御とだに言はせずなりぬる〈[の]〉が あかず口惜しう思さるれ いま一階の位をだに 贈らせたまふなりけり

主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

「言はせずなりぬるが」(主格「が」)/「あかず口惜しう」:主語/述語

物語の深部を支える重要語句へのアプローチ

だに

最低限の願望、せめて。できるなら皇后や中宮に選び、光の君を東宮にさせてやりたかったとの帝の思い。「来し方行く末思し召されず、よろづのことを泣く泣く契りのたまはすれど(後先のわきまえもなく、どんな誓いをも涙ながらにお立てになるのですが)/01-028」で帝は口約束をしている。おそらくその手のことは、幾度となく口にしていたろう、そのことを思い出している。

桐壺 注釈 第4章06

言はせず 01-041

帝が桐壺更衣に自分を女御と呼ばせる。「せ」は使役。

あかず 01-041

飽くことなく、不満で。

口惜しう 01-041

期待に反する結果となり運命を恨む気持ち。

一階の位 01-041

正四位上から従三位(じゅさんみ)になった。これは更衣クラスから女御クラスに昇進したことを意味する。

助詞の識別/助動詞:

女御だに言はなりぬる あか口惜しう思さるれ いま一階だに 贈らたまふなりけり

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

敬語の識別:

女御と だに言はせ ずなりぬる が あかず口惜しう思さるれ ば いま一階の位をだに と 贈らせたまふなり けり

尊敬語 謙譲語 丁寧語

附録:耳からの情報処理(語りの対象 & 構造型)

語りの対象:

女御とだに言はせずなりぬるが・あかず口惜しう思さるれば》A・B
生前后(きさき)はおろか女御とさえ呼ばせずに終ったことが、残念でならぬとお考えなので、


いま一階の位をだにと贈らせたまふなりけり》 C
せめて一階級だけでもと贈られたのです。

直列型:A<B<C:A<B<C

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用