ものの心知りたまふ 023 ★☆☆

2021-01-2301 桐壺01章~10章,なり(断定)

ものの心知りたまふ人はかかる人も世に出でおはするもの 原文 読み 意味 桐壺第2章17/源氏物語

ものの心知りたまふ人は かかる人も世に出でおはするものなりけりと あさましきまで目をおどろかしたまふ

もの/の/こころ/しり/たまふ/ひと/は かかる/ひと/も/よ/に/いで/おはする/もの/なり/けりと あさましき/まで/め/を/おどろかし/たまふ

ものの本質を見抜いておられるお方は、こんな方も世に生れて来られるものかと、常軌を超えた相に信じがたいと目を瞠はっておられました。

大構造(は…と…まで…をおどろかしたまふ/三次)& 係り受け

ものの心知りたまふ〈人〉は かかる〈人〉もに出でおはするものなりけり あさましきまでをおどろかしたまふ

主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

「人も世に…動詞+ものなりけり」:動詞+「ものなりけり」で、~する宿命・運命に驚嘆する意味を添える一種の定型表現。「人も世に」は強調語。

物語の深部を支える重要語句へのアプローチ

ものの心知りたまふ人:人物を見る眼

通例「ものの情理をわきまえる」と解釈されるが、ものの本質を見抜く眼力を備えた人、具体的には政治の中枢を担う公卿たちであろう。倭相が帝にとって重要な資質であることは[父帝の眼力/01-008]で触れた。同様に公卿たちも公卿のレベルで、だれが将来自分の味方で誰が敵になるか見定める能力がなければ、何代にも渡り政治の表舞台に立つことはできない。

あさましき:不可知

単にあきれるの意味ではなく、帝が見抜いていたように、御子の相に意想外な不穏な出来事を見て取ったことを表す。超能力ではないので具体的なビジョンを捉えたわけではなかろうが、都落ちをする政治的危機と、その後の繁栄の両方の姿を垣間見、その両極端の運命を結びつけることができなかったがために、「あさましきまで目をおどろか」すことになったのだろう。

助詞の識別/助動詞の識別:なり(断定) けり

もの心知りたまふ人 かかる人出でおはするものなりけり あさましきまでおどろかしたまふ

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

敬語の識別:たまふ おはす

ものの心知りたまふ人は かかる人も世に出でおはするものなり けり と あさましきまで目をおどろかしたまふ

尊敬語 謙譲語 丁寧語

附録:耳からの情報処理(語りの対象 & 構造型)

語りの対象:ものの心を知りたまふ人光源氏

ものの心知りたまふ人は・かかる人も世に出でおはするものなりけり・とあさましきまで目をおどろかしたまふ》 A・B・C
ものの本質を見抜いておられるお方は、こんな方も世に生れて来られるものかと、常軌を超えた相に信じがたいと目を瞠はっておられました。

分岐型:A<(B<)C:A<C、B<C

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

2021-01-2301 桐壺01章~10章,なり(断定)

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