いとどこの世のもの 107

2020-09-10☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺,たり(完了),なり(断),

桐壺 原文 かな書き 現代語訳 第8章02

いとどこの世のものならず清らにおよすげたまへれば いとゆゆしう思したり

いとど/このよ/の/もの/なら/ず/きよら/に/およすげ/たまへ/れ/ば いと/ゆゆしう/おぼし/たり

これまでにもましてこの世のものならず輝きを放つばかりの美しさにご成長あそばされているので、帝はひどく不吉な感じをお抱きになられた。

解釈の決め手

ゆゆしう:帝の不安

美しすぎるものは天の嫉妬を受ける(あるいは天に愛される)ゆえ、夭死するとの考えが当時あり、それゆえゆゆしく思ったとの解釈がなされている。美と夭折のつながりは、例えば竹取物語に現れており、平安貴族の心理を物語るとする。そうした論とは別に、帝は帝の資質として倭相を身につけており、そこから光の君の将来に不吉なものを感じ取っていた。「めづらかなる稚児の御容貌なり/01-008」。

桐壺 注釈 第8章02

いとど 01-107

それまでもそうであったが、今はなおのこと、ますます。

清らに 01-107

帝や皇太子など特殊な人にのみ使われる形容詞。光りかがやくような美しさ。それは阿弥陀仏の後光のような尊さ清らかさをもつ。

およすげ 01-107

成長する。

語りの対象&構造型

対象:光源氏

いとどこの世のものならず清らにおよすげたまへれば》A
これまでにもましてこの世のものならず輝きを放つばかりの美しさにご成長あそばされているので、


いとゆゆしう思したり》B
帝はひどく不吉な感じをお抱きになられた。

直列型:A<B:A<B

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

情報の階層&係り受け

構文:ば…ゆゆしう思したり/二次

〈[御子]〉いとどこの世のものならず清らにおよすげたまへれ  〈[帝]〉いとゆゆしう思したり

主〉述:一朱 二緑 三青 四橙 五紫 六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

附録

助詞の識別

いとどこものなら 清らにおよすげたまへ  いとゆゆしう思したり

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

敬語の識別

いとどこの世のものなら ず清らにおよすげたまへれ ば いとゆゆしう思したり

尊敬語 謙譲語 丁寧語