鈴虫の 声の限り 076

2020-09-07☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺,05 空間/天候・風景・自然・環境,06 時間/時刻・昼夜・季節・時代,08 物語の構造/歌

桐壺 原文 かな書き 現代語訳 第6章12

 鈴虫の 声の限りを尽くしても 長き夜あかずふる涙かな えも乗りやらず

 すずむし/の こゑ/の/かぎり/を/つくし/て/も ながき/よ/あかず/ふる/なみだ/かな え/も/のり-やら/ず

鈴虫の 声の限りを尽くしても 長き夜あかずふる涙かな えも乗りやらず

桐壺 注釈 第6章12

鈴虫 01-076

王朝文学に出る「鈴虫」は今日チンチロリンと泣く松虫のことであり、今日リンリンとなく鈴虫は松虫といった。

語りの対象&構造型

対象:命婦

鈴虫の声の限りを尽くしても》A
松虫が羽を振り 声を限りに鳴くごとく


長き夜あかずふる涙かな》B
長い秋の夜を泣き通しても 流れつづける涙ですこと


えも乗りやらず》C
どうにも車に乗り込めません。

中断型:A<BφC:A<B、C

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

情報の階層&係り受け

構文:涙かな/三次φえも乗りやらず/一次

 〈鈴虫〉の 声の限りを尽くし ても 長き夜あかずふる 涙かな 〈[命婦]〉えも乗りやらず

「あかず」:夜が「開かず」と涙が「飽かず」が掛詞


「ふる」:涙が降ると羽を振るが掛詞、鈴虫の鈴と振るが縁語

主〉述:一朱 二緑 三青 四橙 五紫 六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

係り受け&主語述語

「声の限りを尽くしても」→「あかずふる」

附録

助詞の識別

鈴虫 声限り尽くし  長き夜あかふる涙かな え乗りやら

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

敬語の識別

鈴虫の 声の限りを尽くして も 長き夜あかずふる涙かな えも乗りやらず

尊敬語 謙譲語 丁寧語