宮城野の露吹きむ 062

2020-09-0701 桐壺01章~10章☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺01章~10章,05 空間/天候・風景・自然・環境,08 物語の構造/歌

桐壺 原文 かな書き 現代語訳 第5章13

 宮城野の露吹きむすぶ風の音に 小萩がもとを思ひこそやれ
とあれどえ見たまひ果てず

 みやぎの/の/つゆ/ふき/むすぶ/かぜ/の/おと/に こはぎ/が/もと/を/おもひ/こそ/やれ 
と/あれ/ど/え/み/たまひ/はて/ず

宮城野のように我が子から遠く離れた宮中で吹いては露をむすぶ風の音を聞くと、野にある小萩のことが涙ながらに思われてならない
と歌にあるが、母君は最後までお読みになることができない。

解釈の決め手

風の音

野分の音。この歌からすると、露は夜から朝にかけて発生するからものだから、昨夜から今朝の未明にかけて野分が吹いたことが予想される。

とあれど

「あれど」の前に「御文/01-059」が省略されている。従って、「あれど」は無敬表現ではない。

桐壺 注釈 第5章13

宮城野 01-062

萩の名所。宮城野の宮に宮中をかける。

小萩 01-062

小と子をかける。光の君。

露 01-062

涙を意味する歌語。

思ひこそやれ 01-062

「思ひやる」を「こそ」で強調した表現。心配になるとの意味。

語りの対象&構造型

対象:敵対勢力の動き光源氏または光源氏が里帰りしている里母君

宮城野の 露吹きむすぶ風の音に》 A
宮城野のようにそちらからは遠い宮中で吹いては露をむすぶ風の音を聞くと、

小萩がもと を思ひこそやれ》B
野にある小萩のことが涙ながらに思われてならない

とあれど え見たまひ果てず》C
と歌にあるが、母君は最後までお読みになることができない。

直列型:A<B<C:A<B<C

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

情報の階層&係り受け

構文:どえ見たまひ果てず/四次

 宮城野の露吹きむすぶ風の音 小萩がもとを思ひこそやれ  あれ ど〈[母君]〉え見たまひ果てず

主〉述:一朱 二緑 三青 四橙 五紫 六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

係り受け&主語述語

「とあれど」:語り手の補足(と手紙にあるが)

附録

助詞の識別

宮城野露吹きむすぶ風 小萩もと思ひこそやれ あれえ見たまひ果て

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

敬語の識別

宮城野の露吹きむすぶ風の音に 小萩がもとを思ひこそやれ とあれどえ見たまひ果てず

尊敬語 謙譲語 丁寧語