思し紛るとはなけれ 135

2020-09-11☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺,なり(断)

桐壺 原文 かな書き 現代語訳 第9章09

思し紛るとはなけれど おのづから御心移ろひて こよなう思し慰むやうなるも あはれなるわざなりけり

おぼし-まぎる/と/は/なけれ/ど おのづから/み-こころ/うつろひ/て こよなう/おぼし-なぐさむ/やう/なる/も あはれ/なる/わざ/なり/けり

お気持ちが紛れるというのでもないけれどおのずと御心がお移りになりこの上なく慰むようにおなりなのも、人の情のなす哀れな業と言うものでしょうか。

解釈の決め手

あはれなるわざ:形容詞の叙述用法

「あはれ」という人の情がなす「わざ」。「わざ」は神意のように深い意味のこめられた事柄。

桐壺 注釈 第9章09

思し慰むやうなるも 01-135

「慰むやとさるべき人びと参らせたまへどなずらひに思さるるだにいとかたき世かなと疎ましうのみよろづに思しなりぬるに(「慰めになろうか」と、夫人にふさわしい方々をお召しになるが、比べてみるお気持ちになる人さえ「全く見つからぬ世の中である」と、疎ましいとばかり万事をお考えになっておいででしたが)/01-128」を受ける表現。

語りの対象&構造型

対象:語り手の判断

思し紛るとはなけれど・おのづから御心移ろひて こよなう思し慰むやうなるも》A・B
お気持ちが紛れるというのでもないけれどおのずと御心がお移りになりこの上なく慰むようにおなりなのも、


あはれなるわざなりけり》C
人の情のなす哀れな業と言うものでしょうか。

直列型:A<B<C:A<B<C

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

情報の階層&係り受け

構文:も…わざなりけり

〈[帝]〉思し紛るとはなけれ  おのづから〈御心〉移ろひて こよなう思し慰むやうなる 〈[の]〉も あはれなるわざなりけり

主〉述:一朱 二緑 三青 四橙 五紫 六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

附録

助詞の識別

思し紛る なけれ おのづから御心移ろひ こよなう思し慰むやうなる  あはれなるわざなり けり

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

敬語の識別

思し紛ると はなけれど おのづから心移ろひて こよなう思し慰むやうなる も あはれなるわざなり けり

尊敬語 謙譲語 丁寧語