月も入りぬ 雲の上 098

2021-01-2301 桐壺01章~10章,05 空間/天候・風景・自然・環境,06 時間/時刻・昼夜・季節・時代

月も入りぬ 雲の上も涙にくるる秋の月いかですむらむ浅茅生の宿 原文 読み 意味 桐壺第7章18/源氏物語

 月も入りぬ 雲の上も涙にくるる秋の月 いかですむらむ 浅茅生の宿

つき/も/いり/ぬ くも/の/うへ/も/なみだ/に/くるる/あき/の/つき いかで/すむ/らむ あさぢふ/の/やど

月も沈んだ。雲の上といわれる宮中からさえ涙で見えない美しい秋の月、どうして澄んで見えようか、草深い里では涙にかき濡れさぞ住みづらかろう

大構造(も入りぬ/一次φ秋の月/二次φ浅茅生の宿/二次)& 係り受け

〈月〉も入りぬ  〈雲の上〉もにくるる秋の月 いかですむらむ浅茅生の宿

主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

「雲の上も涙にくるる秋の月いかですむらむ浅茅生の宿」:母君の返書中の歌「荒き風ふせぎし蔭の枯れしより小萩がうへぞ静心なき/01-086」に対する返歌。


「雲の上も涙にくるる秋の月」「いかですむらむ浅茅生の宿」:対の関係

物語の深部を支える重要語句へのアプローチ

すむ:静心なきの歌の返歌

「澄む/晴れる)と「住む/暮らす)の掛詞。「静心なき」に対する応答になっている。娘を失って(母を失って)気が動顛するのも仕方ないでしょうとの答え。もちろん、帝を非難している裏の意味に対しては無視。おそらく、命婦の代詠であろう。

桐壺 注釈 第7章18

雲の上 01-098

雲上(うんしゃう、うんじゃう)、即ち、宮中。

浅茅生の宿 01-098

桐壺更衣の母君の里。もちろん光の君のことを案じて思いやるのである。

助詞の識別/助動詞の識別:

入り 雲くるる秋月 いかですむらむ 浅茅生宿

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

敬語の識別:

月も入りぬ 雲の上も涙にくるる秋の月 いかですむらむ 浅茅生の宿

尊敬語 謙譲語 丁寧語

附録:耳からの情報処理(語りの対象 & 構造型)

語りの対象:光源氏と桐壺更衣の母君

月も入りぬ》A
月も沈んだ。


雲の上も涙にくるる秋の月 いかですむらむ浅茅生の宿》B・C
雲の上といわれる宮中からさえ涙で見えない美しい秋の月、どうして澄んで見えようか、草深い里では涙にかき濡れさぞ住みづらかろう

中断型:AφBφC:A、B、C

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用