かうぶりしたまひて 150
原文 読み 意味 桐壺第10章10@源氏物語
かうぶりしたまひて 御休所にまかでたまひて 御衣奉り替へて 下りて拝したてまつりたまふさまに 皆人涙落としたまふ
かうぶり/し/たまひ/て おほむ-やすみどころ/に/まかで/たまひ/て おほむ-ぞ/たてまつり-かへ/て おり/て/はいし/たてまつり/たまふ/さま/に みなひと/なみだ/おとし/たまふ
若宮は加冠の儀を終えられ休息所にお下がりになり、お召し替えをすませて庭に降り帝にお礼の拝舞をなされるお姿に、皆ひと涙をお流しになった。
文構造&係り受け 01-150
主述関係に見る文構造(に…落としたまふ:二次)
〈[光源氏]〉かうぶりしたまひて 御休所にまかでたまひて 御衣奉り替へて 下りて拝したてまつりたまふさまに 〈皆人〉涙落としたまふ
色分:〈主語〉助詞・述語 [ ]:補充 //挿入 |:休止 @@・@@・@@・@@:分岐
機能語に見る係り受け
かうぶりしたまひて 御休所にまかでたまひて 御衣奉り替へて 下りて拝したてまつりたまふさまに 皆人涙落としたまふ
助詞・助動詞の識別:
かうぶりしたまひて 御休所にまかでたまひて 御衣奉り替へて 下りて拝したてまつりたまふさまに 皆人涙落としたまふ
助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
敬語の区別:
かうぶりしたまひて 御休所にまかでたまひて 御衣奉り替へて 下りて拝したてまつりたまふさまに 皆人涙落としたまふ
尊敬語 謙譲語 丁寧語
古語探訪;失われた意味を求めて
かうぶりしたまひて 01-145
描かれていないが、引入の大臣による加冠の儀式は終わったのである。儀式における大臣の心境は、帝との歌のやりとりを通して後に語られる/01-159/01-160。
御休所 01-145
清涼殿の殿上の間の南の下侍(しもさぶらい)があてられた。
御衣奉り替へ 01-145
儀式様から拝舞様に服装を変える。「奉り」は本動詞で「着る」の尊敬語。
拝し 01-145
帝へのお礼の拝舞。
耳でとらえる;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:光源氏/元服に参列した人々
《かうぶりしたまひて 御休所にまかでたまひて 御衣奉り替へて 下りて拝したてまつりたまふさまに》A
若宮は加冠の儀を終えられ休息所にお下がりになり、お召し替えをすませて庭に降り帝にお礼の拝舞をなされるお姿に、
《皆人涙落としたまふ》B
皆ひと涙をお流しになった。
直列型:A<B:A<B
A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
〈直列型〉<:直進 #:倒置
〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用