御胸つとふたがりて 033
御胸つとふたがりてつゆまどろまれず 原文 読み 意味 桐壺第3章10/源氏物語
御胸つとふたがりて つゆまどろまれず 明かしかねさせたまふ
おほむ-むね/つと/ふたがり/て つゆ/まどろま/れ/ず あかし-かね/させ/たまふ
胸がどうかするとふさがっていっかな眠られず夜を明かしかねておられる。
大構造(てつゆまどろまれず明かしかねさせたまふ/一次)& 係り受け
〈[帝]〉御胸つとふたがりて つゆまどろまれず 明かしかねさせたまふ
〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]: 補 /: 挿入 @・@・@・@:分岐
「御胸つとふたがりて」「つゆまどろまれず」:並列(「つゆまどろまれず」に係るでもよい)
物語の深部を支える重要語句へのアプローチ
明かしかね
寝れば心理的な時間は一瞬にして過ぎてしまうが、眠ることができず、時間が長く感じられるのである。そのため、いつもならいつの間にか明けている夜が、なかなか明かない。
桐壺 注釈 第3章10
つと 01-033
ひしと。固定して動かない状態。
つゆ…ず 01-033
少しもできない。
助詞の識別/助動詞の識別:
御胸つとふたがりて つゆまどろまれず 明かしかねさせたまふ
助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
敬語の識別:
御胸つとふたがりて つゆまどろまれず 明かしかねさせたまふ
尊敬語 謙譲語 丁寧語
附録:耳からの情報処理(語りの対象 & 構造型)
語りの対象:帝
《御胸つとふたがりて・つゆまどろまれず・明かしかねさせたまふ》A・B・C
胸がどうかするとふさがっていっかな眠られず夜を明かしかねておられる。
分岐型:A+B<C:A+B<C
A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用