若宮はいかに思ほし 064

2021-01-2101 桐壺01章~10章

若宮はいかに思ほし知るにか参りたまはむことをのみなむ 原文 読み 意味 桐壺第5章15(63・64共通)

(命長さのいとつらう思うたまへ知らるるに 松の思はむことだに恥づかしう思うたまへはべれば 百敷に行きかひはべらむことはましていと憚り多くなむ かしこき仰せ言をたびたび承りながら みづからはえなむ 思ひたまへたつまじき)
若宮はいかに思ほし知るにか 参りたまはむことをのみなむ思し急ぐめれば ことわりに悲しう見たてまつりはべるなど うちうちに思うたまふるさまを奏したまへ ゆゆしき身にはべれば かくておはしますも忌ま忌ましうかたじけなくなむ とのたまふ

(いのち/ながさ/の/いと/つらう/おもひ/たまへ/しら/るる/に まつ/の/おもは/む/こと/だに/はづかしう/おもう/たまへ/はべれ/ば ももしき/に/ゆきかひ/はべら/む/こと/は/まして/いと/はばかり/おほく/なむ かしこき/おほせごと/を/たびたび/うけたまはり/ながら みづから/は/え/なむ おもひ/たまへ/たつ/まじき)
わかみや/は/いかに/おもほし/しる/に/か まゐり/たまは/む/こと/を/のみ/なむ/おぼし-いそぐ/めれ/ば ことわり/に/かなしう/み/たてまつり/はべる/など うちうち/に/おもう/たまふる/さま/を/そうし/たまへ ゆゆしき/み/に/はべれ/ば かくて/おはします/も/いまいましう/かたじけなく/なむ と/のたまふ

(命の長さが大層つらく思い知られるにつけ、高砂の松がわたくしをどう見るか想像してさえ居たたまれませんのに、百官集う宮中に出入りするなどはまして憚り多いことで、かしこき仰せ言を度たび承りながら、わたくし自身はいかにしても、参内を思い立てそうにございません。)
若宮はどのようにしてお知りになってか、宮中に参ることばかりを願われご準備なさっておいでの様子ですので、そうなさるのが道理ながら悲しくお見受けいたしておりますことなど、心の中で考えていることなどを内々にご奏上ください。(娘に先立たれた)不吉な身でありますれば、このまま宮がここにあそばされるのも忌まわしく恐れ多いことで、と母北の方はおっしゃる。

※ 注釈・助詞・助動詞・敬語の識別などの説明は064参照

附録:耳からの情報処理(語りの対象 & 構造型)(63・64共通)

語りの対象:母君長寿の象徴若宮命婦

命長さのいとつらう思うたまへ知らるるに》 A
命の長さが大層つらく思い知られるにつけ、


松の思はむことだに恥づかしう思うたまへはべれば》 B
高砂の松がわたくしをどう見るか想像してさえ居たたまれませんのに、


百敷に行きかひはべらむことはましていと憚り多くなむ》 C
百官集う宮中に出入りするなどはまして憚り多いことで、


かしこき仰せ言をたびたび承りながらみづからはえなむ》D
かしこき仰せ言を度たび承りながら、わたくし自身はいかにしても、


思ひたまへたつまじき》E
参内を思い立てそうにございません。


若宮は・いかに思ほし知るにか》F・G
若宮はどのようにしてお知りになってか、


参りたまはむことを・のみなむ思し急ぐめれば》H・I
宮中に参ることばかりを願われご準備なさっておいでの様子ですので、


ことわりに悲しう見たてまつりはべるなど うちうちに思うたまふるさまを奏したまへ》J
そうなさるのが道理ながら悲しくお見受けいたしておりますことなど、心の中で考えていることなどを内々にご奏上ください。


ゆゆしき身にはべれば・かくておはしますも・忌ま忌ましうかたじけなくなむ》K・L・M
(娘に先立たれた)不吉な身でありますれば、このまま宮がここにあそばされるのも忌まわしく恐れ多いことで、


とのたまふ》N
とのご返事でした。

分岐型・中断型・分配型:A<B<C、*C+D<Eφ、F<(G<)H<I<Jφ、K<L<M、*E+*J+*M<N:A<B<C、*C+D<E、F<H<I<J、G<H、K<L<M、*E+*J+*M<N

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

2021-01-2101 桐壺01章~10章

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