かかる所に思ふやう 182 ★☆☆

2021-02-2401 桐壺01章~10章,

原文 読み 意味 桐壺第10章42@源氏物語

かかる所に思ふやうならむ人を据ゑて 住まばやとのみ 嘆かしう思しわたる

かかる/ところ/に/おもふ/やう/なら/む/ひと/を/すゑ/て すま/ばや/と/のみ なげかしう/おぼし/わたる

こうした所に思い通りの人を囲って住みたいものだと、源氏の君はそればかり悲痛に思いつづけになるのでした。

文構造&係り受け 01-182

主述関係に見る文構造(とのみ…思しわたる:三次

〈[光源氏]〉かかる所に思ふやうならむを据ゑて 住まばやのみ嘆かしう思しわたる

色分:〈主語〉助詞・述語 [ ]:補充 //挿入 |:休止 @@@@@@@@:分岐

機能語に見る係り受け

かかる所に思ふやうならむ人を据ゑて 住まばやとのみ 嘆かしう思しわたる

助詞・助動詞の識別:なり(断定) 

かかる所思ふやうなら据ゑ 住まばやのみ嘆かしう思しわたる

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

敬語の区別:思しわたる

かかる所に思ふやうなら む人を据ゑて 住まばや と のみ嘆かしう思しわたる

尊敬語 謙譲語 丁寧語

古語探訪;失われた意味を求めて

据ゑて 01-182:女を囲う

これは王朝文学を理解する上で、非常に重要な語である。「据う・据ゑ」とは、王朝時代の結婚形式のひとつで、正式な結婚ではなく、古代からつづく略奪結婚のようなもの。光源氏が藤壺の宮のことを思っているからといって、ここも正式な結婚を夢見ていると勝手に想像してはならない。正妻は葵の上であり、これは揺るぎない。それを揺るがせたとしたら光源氏は後見を失ってしまう。あくまで愛人としての理想であり、藤壺は「思ふやうなら」ざる相手であって、ここで対象にすべき相手ではないし、葵の上との結婚関係を正式に破棄することを望んでいるわけではない。この点、諸訳に見える「迎えて」との訳では、「据う・据ゑ」という結婚形態の含みが消えてしまう。あくまで、囲う相手という自分の自由になる相手に対してである。ただし、愛情がその分薄いということではない。愛の形、結婚の形の問題である。

思ふやうならむ人 01-182

藤壺みたいな人。藤壺でなくてもよい点に注意したい。紫の上などが想定されているだけでなく、藤壺への愛は実を結ばないものであり、そのゆかりを追い求めるのが、源氏物語の構造になっている。

耳でとらえる;立ち現れる〈モノ〉

語りの対象:光源氏

かかる所に思ふやうならむ人を据ゑて 住まばや・とのみ嘆かしう思しわたる》A・B
こうした所に思い通りの人を囲って住みたいものだと、源氏の君はそればかり悲痛に思いつづけになるのでした。

直列型:(A<)B:A<B

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉  ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置
〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

2021-02-2401 桐壺01章~10章,

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