さぶらふ人びと 御 131
さぶらふ人びと御後見たち御兄の兵部卿の親王など 原文 読み 意味 桐壺第9章05/源氏物語
さぶらふ人びと 御後見たち 御兄の兵部卿の親王など かく心細くておはしまさむよりは 内裏住みせさせたまひて 御心も慰むべくなど思しなりて 参らせたてまつりたまへり
さぶらふ/ひとびと おほむ-うしろみ-たち おほむ-せうと/の/ひやうぶきやう-の-みこ/など かく/こころぼそく/て/おはしまさ/む/より/は うちずみ/せ/させ/たまひ/て み-こころ/も/なぐさむ/べく/など/おぼし-なり/て まゐら/せ/たてまつり/たまへ/り
四の宮に仕える人々後見の人たち男兄弟の兵部卿の親王などは、こんな風に心細くお暮らしになるよりは宮中にお住いになされば、お気持ちも慰まれましょうしなどとお考えになり、参内なされるようにして差し上げた。
大構造(思しなりて参らせたてまつりたまへり/三次)& 係り受け
〈さぶらふ人びと 御後見たち 御兄の兵部卿の親王など〉 〈[四の宮]〉かく心細くておはしまさむよりは 内裏住みせさせたまひて 〈御心〉も慰むべくなど思しなりて 参らせたてまつりたまへり
〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]: 補 /: 挿入 @・@・@・@:分岐
「内裏住みせさせたまひて」:接続助詞「て」があるので「御心も慰むべく」の間は一呼吸置く感じ。「て」がない場合「内裏住みせさせたまひ」→「慰むべく」
桐壺 注釈 第9章05
兵部卿の親王 01-131
源氏物語の光源氏と並ぶ主人公である紫の上の父宮。すなわち紫の上は藤壺の姪にあたる。
助詞の識別/助動詞の識別:
さぶらふ人びと 御後見たち 御兄の兵部卿の親王など かく心細くておはしまさむよりは 内裏住みせさせたまひて 御心も慰むべくなど思しなりて 参らせたてまつりたまへり
助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
敬語の識別:
さぶらふ人びと 御後見たち 御兄の兵部卿の親王など かく心細くておはしまさむ より は 内裏住みせさせたまひて 御心も慰むべく など思しなりて 参らせたてまつりたまへり
尊敬語 謙譲語 丁寧語
附録:耳からの情報処理(語りの対象 & 構造型)
語りの対象:藤壺の宮の後見人や親族/後見人たちや兄である兵部卿の親王など
《さぶらふ人びと 御後見たち 御兄の兵部卿の親王など》A
四の宮に仕える人々後見の人たち男兄弟の兵部卿の親王などは、
《かく心細くておはしまさむよりは 内裏住みせさせたまひて 御心も慰むべくなど思しなりて》B
こんな風に心細くお暮らしになるよりは宮中にお住いになされば、お気持ちも慰まれましょうしなどとお考えになり、
《参らせたてまつりたまへり》C
参内なされるようにして差し上げた。
直列型:A<B<C:A<B<C
A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用