今は誰れも誰れもえ 114

2021-02-28

原文 読み 意味 桐壺08章09@源氏物語

今は誰れも誰れもえ憎みたまはじ 母君なくてだにらうたうしたまへ とて弘徽殿などにも渡らせたまふ御供には やがて御簾の内に入れたてまつりたまふ

いま/は/たれ/も/たれ/も/え/にくみ/たまは/じ ははぎみ/なく/て/だに/らうたう/し/たまへ と/て/こうきでん/など/に/も/わたら/せ/たまふ/おほむ-とも/に/は やがて/み-す/の/うち/に/いれ/たてまつり/たまふ

今はもう誰もお憎みなさらぬよう。母君がいないだけでも可愛がってお上げなさいと、弘徽殿などへもお渡りになるお供とされる時には、そのまま御簾の中に入れて差し上げになるのです。

文構造&係り受け

主語述語と大構造 とて…には…に入れたてまつりたまふ:三次

〈[帝]〉今は〈誰れ〉も〈誰れ〉もえ憎みたまはじ 〈母君〉なくてだにらうたうしたまへ とて弘徽殿などにも渡らせたまふ御供には やがて御簾の内に入れたてまつりたまふ

色分:〈主語〉助詞・述語 [ ]:補充 //挿入 |:休止 @@@@@@@@:分岐

機能語と係り受け

今は誰れも誰れもえ憎みたまはじ 母君なくてだにらうたうしたまへ とて弘徽殿などにも渡らせたまふ御供には やがて御簾の内に入れたてまつりたまふ

「とて」→「御簾の内に入れたてまつりたまふ」


「御供には」→「入れたてまつりたまふ」

助詞・助動詞の識別:じ せ

誰れ誰れえ憎みたまは 母君なくだにらうたうしたまへ 弘徽殿など渡らたまふ御供 やがて御簾入れたてまつりたまふ

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

敬語の区別:たまふ たまふ せたまふ 御 御 たてまつる たまふ

今は誰れも誰れもえ憎みたまはじ 母君なくて だにらうたうしたまへ とて弘徽殿など に も渡らたまふ 供に は やがて簾の内に入れたてまつりたまふ

尊敬語 謙譲語 丁寧語

古語探訪;失われた意味を求めて
じ 01-114

二人称に対して否定の勧誘。…しないように。

母君なくてだに 01-114

母がいないというだけで大変なのだから。

らうたう 01-114

労多しが原義で、いたわる気持ち。

弘徽殿などにも渡らせたまふ 01-114

「弘徽殿などにも渡らせたまふ」で文を切るテキストがあるが、「とて」「渡らせたまふ」では意味をなさない。

やがて 01-114

そのまま。元服するまでは、光の君は帝の夫人たちの部屋に入ることが許された。これが引いて藤壺との密通につながる。

耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉

語りの対象:弘徽殿の女御や他の女御更衣たち光源氏

今は誰れも誰れもえ憎みたまはじ 母君なくてだにらうたうしたまへ とて》A
今はもう誰もお憎みなさらぬよう。母君がいないだけでも可愛がってお上げなさいと、


弘徽殿などにも渡らせたまふ御供には やがて御簾の内に入れたてまつりたまふ》B
弘徽殿などへもお渡りになるお供とされる時には、そのまま御簾の中に入れて差し上げになるのです。

直列型:A→B:A→B

 A→B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉:修飾 :倒置
〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉:中止法・独立文 //:挿入


〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B 〈分配型〉A→B*C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

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