今は誰れも誰れもえ 114

2020-09-1001 桐壺01章~10章☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺01章~10章,03 衣・食・住・車・内裏・後宮

桐壺 原文 かな書き 現代語訳 第8章09

今は誰れも誰れもえ憎みたまはじ 母君なくてだにらうたうしたまへ とて弘徽殿などにも渡らせたまふ御供には やがて御簾の内に入れたてまつりたまふ

いま/は/たれ/も/たれ/も/え/にくみ/たまは/じ ははぎみ/なく/て/だに/らうたう/し/たまへ と/て/こうきでん/など/に/も/わたら/せ/たまふ/おほむ-とも/に/は やがて/み-す/の/うち/に/いれ/たてまつり/たまふ

今はもう誰もお憎みなさらぬよう。母君がいないだけでも可愛がってお上げなさいと、弘徽殿などへもお渡りになるお供とされる時には、そのまま御簾の中に入れて差し上げになるのです。

桐壺 注釈 第8章09

じ 01-114

二人称に対して否定の勧誘。…しないように。

母君なくてだに 01-114

母がいないというだけで大変なのだから。

らうたう 01-114

労多しが原義で、いたわる気持ち。

弘徽殿などにも渡らせたまふ 01-114

「弘徽殿などにも渡らせたまふ」で文を切るテキストがあるが、「とて」「渡らせたまふ」では意味をなさない。

やがて 01-114

そのまま。元服するまでは、光の君は帝の夫人たちの部屋に入ることが許された。これが引いて藤壺との密通につながる。

語りの対象&構造型

対象:弘徽殿の女御や他の女御更衣たち光源氏

今は誰れも誰れもえ憎みたまはじ  母君なくてだに らうたうしたまへ  とて》A
今はもう誰もお憎みなさらぬよう。母君がいないだけでも可愛がってお上げなさいと、


弘徽殿などにも渡らせたまふ 御供には  やがて御簾の内に入れたてまつりたまふ》B
弘徽殿などへもお渡りになるお供とされる時には、そのまま御簾の中に入れて差し上げになるのです。

直列型:A<B:A<B

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

情報の階層&係り受け

構文:とて…には…に入れたてまつりたまふ/三次

〈[帝]〉今は〈誰れ〉も〈誰れ〉もえ憎みたまはじ 〈母君〉なくてだにらうたうしたまへ とて弘徽殿などにも渡らせたまふ御供には やがて御簾の内に入れたてまつりたまふ

主〉述:一朱 二緑 三青 四橙 五紫 六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

係り受け&主語述語

「とて」→「御簾の内に入れたてまつりたまふ」


「御供には」→「入れたてまつりたまふ」

附録

助詞の識別

誰れ誰れえ憎みたまは 母君なく だにらうたうしたまへ  弘徽殿など 渡らたまふ御供  やがて御簾入れたてまつりたまふ

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

敬語の識別

今は誰れも誰れもえ憎みたまはじ 母君なくて だにらうたうしたまへ とて弘徽殿など に も渡ら たまふ 供に は やがて簾の内に入れたてまつり たまふ

尊敬語 謙譲語 丁寧語