御後見だちて仕うま 120

2020-09-10☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺,なり(断)

桐壺 原文 かな書き 現代語訳 第8章15

御後見だちて仕うまつる 右大弁の子のやうに思はせて 率てたてまつるに 相人驚きて 

おほむ-うしろみだち/て/つかう/まつる うだいべん/の/こ/の/やう/に/おもは/せ/て ゐ/て/たてまつる/に さうにん/おどろき/て あまた/たび/かたぶき/あやしぶ

後見役として宮にお仕えしていた右大弁の、実子になりすまして連れてゆきお見せしたところ、相人は目をみはって幾度も首をかしげて怪しむのです。

桐壺 注釈 第8章15

御後見だちて仕うまつる右大弁 01-120

物語には書かれて来なかったが、現在、右大弁が祖母を亡くした光の君の実質的な後見役をしている。光の君が元服するにあたっても、帝へのお礼の品を右大弁が用意している。「弁もいと才かしこき博士にて/01-122」とあるので、光の君の漢学の師でもあるのだろう。

子のやうに思はせて 01-120

息子であるように偽装して。

たてまつる 01-120

(本動詞)相人にお見せする。客体敬語で相人に対する敬意を表す。

語りの対象&構造型

対象:右大弁光源氏のこと相人

御後見だちて仕うまつる 右大弁の 子のやうに 思はせて・率てたてまつるに》A・B
後見役として宮にお仕えしていた右大弁の、実子になりすまして連れてゆきお見せしたところ、


相人驚きて あまたたび傾きあやしぶ》C
相人は目をみはって幾度も首をかしげて怪しむのです。

直列型:A<B<C:A<B<C

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

情報の階層&係り受け

構文:に…驚きて…傾きあやしぶ/三次

〈[右大弁]〉 御後見だちて仕うまつる 右大弁の子のやうに思はせて 率てたてまつる  〈相人〉驚きて あまたたび傾きあやしぶ

主〉述:一朱 二緑 三青 四橙 五紫 六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

「思はせて」の主語は意味上帝の方がふさわしく思えるが、尊敬語がないので右大弁とする。その方が「思はせて率てたてまつる」の構造がすっきりする。

係り受け&主語述語

「思はせて」「率て」(並列)→「たてまつる」

附録

助詞の識別

御後見だち仕うまつる 右大弁やう思は  率たてまつる 相人驚き あまたたび傾きあやしぶ

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

敬語の識別

後見だちて仕うまつる 右大弁の子のやうに思はせ て 率てたてまつるに 相人驚きて あまたたび傾きあやしぶ

尊敬語 謙譲語 丁寧語