朝に起きさせたまふ 102

2020-09-10☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺,04 公的生活/出世・祝賀・行事,06 時間/時刻・昼夜・季節・時代,めり

桐壺 原文 かな書き 現代語訳 第7章22

朝に起きさせたまふとても 明くるも知らでと思し出づるにも なほ朝政は怠らせたまひぬべかめり

あした/に/おき/させ/たまふ/とて/も あくる/も/しら/で/と/おぼし-いづる/に/も なほ/あさまつりごと/は/おこたら/せ/たまひ/ぬ/べかめり

翌朝せっかくお起きになっても、夜の明けるのも知らず寝過ごしたものだと往事を回想なされ、それにつけても、政務はやはり怠っておしまいのご様子。

解釈の決め手

朝政:朝日と共にある天子像

朝廷の公務。古来の帝王の意識では、朝の未明に百官が大極殿に集い、帝は南面して報告を聞き、決裁をすませることが帝の政務である。朝食を摂るのはその後。公事がわたくしに優先するのである。

桐壺 注釈 第7章22

明くるも知らで 01-102

「玉すだれあくるも知らで寝しものを夢にも見じと思ひかけきや/伊勢集」の第二句を指す。宇多天皇が長恨歌屏風絵の作成にあたり、女流歌人の伊勢に玄宗皇帝の立場になって詠ませた歌の一首。夜が明け玉だすきを巻き上げたのも知らずに二人で寝て過ごしたものを、夢の中でも会えなくなる今日の日をかつて予想したであろうか、との歌意である。

語りの対象&構造型

対象:

朝に起きさせたまふとても》A
翌朝せっかくお起きになっても、


明くるも知らでと思し出づるにも》B
夜の明けるのも知らず寝過ごしたものだと往事を回想なされ、それにつけても、


なほ朝政は怠らせたまひぬべかめり》C
政務はやはり怠っておしまいのご様子。

反復型:A~AB<C:A~AB<C

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

情報の階層&係り受け

構文:とても…にも…は怠らせたまひぬべかめり/二次

〈[帝]〉 朝に起きさせたまふ とても 明くるも知らで 思し出づる にも なほ朝政は怠らせたまひぬべかめり

主〉述:一朱 二緑 三青 四橙 五紫 六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

附録

助詞の識別

起きさせたまふとて  明くる知ら 思し出づる  なほ朝政怠らたまひ べか めり

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

敬語の識別

朝に起きさせ たまふとて も 明くるも知らで と思し出づるに も なほ朝政は怠ら たまひぬ べか めり

尊敬語 謙譲語 丁寧語