一の宮を見たてまつ 桐壺04章14

2021-03-27

原文 読み 意味

一の宮を見たてまつらせたまふにも 若宮の御恋しさのみ思ほし出でつつ 親しき女房御乳母などを遣はしつつ ありさまを聞こし召す

01049/難易度:☆☆☆

いち-の-みや/を/み/たてまつら/せ/たまふ/に/も わかみや/の/おほむ-こひしさ/のみ/おもほし-いで/つつ したしき/にようばう/おほむ-めのと/など/を/つかはし/つつ ありさま/を/きこしめす

帝は第一皇子を御覧申し上げるにつけても若宮への恋しさばかりが御心につのり、心許せる女房や乳母などをいくども里に遣わして今のご様子をお尋ねになるのでした。

大構造&係り受け

主語述語と大構造

  • にも…のみ思ほし出でつつ…を遣はしつつ…を聞こし召す 二次元構造

〈[帝]〉一の宮を見たてまつらせたまふにも 若宮の御恋しさのみ思ほし出でつつ 親しき女房御乳母などを遣はしつつ ありさまを聞こし召す

助詞と係り受け

一の宮を見たてまつらせたまふにも 若宮の御恋しさのみ思ほし出でつつ 親しき女房御乳母などを遣はしつつ ありさまを聞こし召す

  • 一の宮を見たてまつらせたまふにも→若宮の御恋しさのみ思ほし出でつつ・親しき女房御乳母などを遣はしつつ/並列→ありさまを聞こし召す/「つつ」は反復。それだけの時間が経過したことを示す。

一の宮見たてまつらたまふ 若宮御恋しさのみ思ほし出でつつ 親しき女房御乳母など遣はしつつ ありさま聞こし召す

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

助動詞の識別:

  • :尊敬・す・連用形/「せたまふ」:最高敬語
敬語の区別:たてまつる せたまふ 御 思ほし出づ 御 遣はす 聞こし召す

一の宮を見たてまつらせたまふに も 若宮の恋しさのみ思ほし出でつつ 親しき女房乳母など を遣はしつつ ありさまを聞こし召す

尊敬語 謙譲語 丁寧語

古語探訪

親しき女房 01049

「親しくない女房」が想定されている。弘徽殿など監視があるのだろう。帝が心を許すことができる女房。現代語の親しいでは不遜にあたる。

御乳母 01049

「御」とあるので、帝が抱えている乳母か、光源氏付きの乳母と考えるしかない。光源氏付きの乳母は里帰りに付き添っているであろうから、ここは帝のお抱えの乳母であろう。もちろん、帝の幼少期を育てた乳母ではなく、御子が生まれた場合に対処できるように抱えている乳母である。

ありさま 01049

今ある様子。現在進行で変化して行くので、いつもいつも気になって仕方がない。

一の宮 01049

弘徽殿腹の第一皇子、東宮第一候補。

若宮 01049

光の君。「(一の皇子は)おほかたのやむごとなき御思ひにて、この君(若宮)をば、私物に思ほしかしづきたまふこと限りなし(第一皇子は公事としてそれ相応に尊ばれる一方、この宮は秘蔵子として慈しみお育てになるご愛情には限りがございません)/01009」とある。

若宮の御恋しさのみ思ほし出でつつ 01049

「若宮を恋しく思ほし出でつつ」と同義であろう。前の「一の宮」に合わせて名詞句にしたものと考えられる。

遣はし 01049

桐壺の実家に光源氏の様子を伺いに行かせる。

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