角髪結ひたまへるつ 桐壺10章07
目次
原文 読み 意味
角髪結ひたまへるつらつき顔のにほひさま 変へたまはむこと 惜しげなり
01147/難易度:☆☆☆
みづら/ゆひ/たまへ/るつらつき/かほ/の/にほひ/さま かへ/たまは/む/こと をしげ/なり
角髪(みずら)をお結いの顔立ち顔のつや、童子のお姿をお変えになることが帝には惜しまれたのです。
文構造&係り受け
主語述語と大構造
- 惜しげなり 三次元構造
〈[帝]〉角髪結ひたまへるつらつき顔のにほひさま 変へたまはむ〈こと〉 惜しげなり
助詞と係り受け
角髪結ひたまへるつらつき顔のにほひさま 変へたまはむこと 惜しげなり
「髪結ひたまへる」→「つらつき」「顔のにほひ」「さま」並列→「変へたまはむ」/「つらつき」「顔のにほひ」を同格の「さま」が受けると考えてもよいが、文法的根拠が薄い
角髪結ひたまへるつらつき顔のにほひさま 変へたまはむこと 惜しげなり
助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
助動詞の識別:る む
- る:存続・り・連体形
- む:仮定・む・連体形
敬語の区別:たまふ たまふ
角髪結ひたまへるつらつき顔のにほひさま 変へたまはむこと 惜しげなり
尊敬語 謙譲語 丁寧語
古語探訪
角髪 01147
子供の時の髪型。頭の中心で左右に髪を分け、耳の上で輪をつくるもの。
さま変へたまはむ 01147
「さま変ふ」(下二段)は他動詞。自動詞は「さま変はる」(四段)。童子の姿を変化させる主体は光源氏ではなく、元服をとりしきる帝であろう。童形を変える直前になって,「この君の御童姿いと変へまうく思せど/01141」と同じ心情にまた襲われたのである。
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:光源氏/帝の心情
直列型:A→B:A→B
《角髪結ひたまへるつらつき顔のにほひさま 変へたまはむこと・惜しげなり》A・B
角髪(みずら)をお結いの顔立ち顔のつや、童子のお姿をお変えになることが帝には惜しまれたのです。