御禄の物主上の命婦 桐壺10章18

2021-04-18

原文 読み 意味

御禄の物 主上の命婦取りて賜ふ 白き大袿に御衣一領 例のことなり

01158/難易度:☆☆☆

おほむ-ろく/の/もの うへ-の-みやうぶ/とり/て/たまふ しろき/おほうちき/に/おほむ-ぞ/ひと-くだり れい/の/こと/なり

引入れ役のご褒美の品物を、帝付きの命婦が取り次いで下賜される。白い大袿にご衣装一揃え、これは慣例通りである。

文構造&係り受け

主語述語と大構造

  • 取りて賜ふ 一次元構造|例のことなり 一次元構造

御禄の物 主上の〈命婦〉取りて賜ふ|白き大袿に御衣一領 例のことなり

助詞と係り受け

御禄の物 主上の命婦取りて賜ふ 白き大袿に御衣一領 例のことなり

御禄物 主上命婦取り賜ふ 白き大袿御衣一領 例ことなり

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

助動詞の識別:なり

  • なり:断定・なり・終止形
敬語の区別:御 賜ふ 御

禄の物 主上の命婦取りて賜ふ 白き大袿に衣一領 例のことなり

尊敬語 謙譲語 丁寧語

古語探訪

禄 01158

本日の引入の大臣役を務めたことに対する臨時の下賜。

主上の命婦 01158

帝つきの命婦。天皇が自ら玉座を降りて左大臣に下賜するのではなく、命婦の手を通して下賜が行われる。

大袿 01158

大きめの仕立てになっているので、着用時には自分の身の丈に仕立て直す。

例のこと 01158

規則通り。「限りある事に事を添へさせたまふ/01142」とあった「限りある事」のうち。

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