角髪結ひたまへるつ 桐壺10章07

2021-04-18

原文 読み 意味

角髪結ひたまへるつらつき顔のにほひさま 変へたまはむこと 惜しげなり

01147/難易度:☆☆☆

みづら/ゆひ/たまへ/るつらつき/かほ/の/にほひ/さま かへ/たまは/む/こと をしげ/なり

角髪(みずら)をお結いの顔立ち顔のつや、童子のお姿をお変えになることが帝には惜しまれたのです。

文構造&係り受け

主語述語と大構造

  • 惜しげなり 三次元構造

〈[帝]〉角髪結ひたまへるつらつき顔のにほひさま 変へたまはむ〈こと〉 惜しげなり

助詞と係り受け

角髪結ひたまへるつらつき顔のにほひさま 変へたまはむこと 惜しげなり

「髪結ひたまへる」→「つらつき」「顔のにほひ」「さま」並列→「変へたまはむ」/「つらつき」「顔のにほひ」を同格の「さま」が受けると考えてもよいが、文法的根拠が薄い

角髪結ひたまへつらつき顔にほひさま 変へたまはこと 惜しげなり

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

助動詞の識別:る む

  • :存続・り・連体形
  • :仮定・む・連体形
敬語の区別:たまふ たまふ

角髪結ひたまへるつらつき顔のにほひさま 変へたまはむこと 惜しげなり

尊敬語 謙譲語 丁寧語

古語探訪

角髪 01147

子供の時の髪型。頭の中心で左右に髪を分け、耳の上で輪をつくるもの。

さま変へたまはむ 01147

「さま変ふ」(下二段)は他動詞。自動詞は「さま変はる」(四段)。童子の姿を変化させる主体は光源氏ではなく、元服をとりしきる帝であろう。童形を変える直前になって,「この君の御童姿いと変へまうく思せど/01141」と同じ心情にまた襲われたのである。

耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉

語りの対象:光源氏帝の心情

直列型:A→B:A→B

角髪結ひたまへるつらつき顔のにほひさま 変へたまはむこと・惜しげなり》A・B
角髪(みずら)をお結いの顔立ち顔のつや、童子のお姿をお変えになることが帝には惜しまれたのです。

Posted by 管理者