尋ねゆく幻もがな 桐壺07章11
目次
原文 読み 意味
尋ねゆく幻もがなつてにても魂のありかをそこと知るべく
01091/難易度:☆☆☆
たづね/ゆく/まぼろし/もがな/つて/にて/も/たま/の/ありか/を/そこ/と/しる/べく
《亡き人を尋ねゆく幻術士はいないものか直接は無理でも 道士を通しそこにいたのかと魂のありかが知れように》
文構造&係り受け
主語述語と大構造
- にても…をそこと知るべく 三次元構造
尋ねゆく幻もがな つてにても魂のありかをそこと知るべく
助詞と係り受け
尋ねゆく幻もがな つてにても魂のありかをそこと知るべく
この歌は「つてにても魂のありかをそこと知るべく尋ねゆく幻もがな」を倒置した表現
「尋ねゆく幻もがなつてにても魂のありかをそこと知るべく」:桐壺更衣の末期の歌「限りとて別るる道の悲しきにいかまほしきは命なりけり/01031」に対する遅れた返歌
尋ねゆく幻もがな つてにても魂のありかをそこと知るべく
助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
助動詞の識別:べく
- べく:可能・べし・連用形
敬語の区別:φ
尋ねゆく幻もがな つてにて も魂のありかをそこと知るべく
尊敬語 謙譲語 丁寧語
古語探訪
つてにても 01091:光源氏を通して
人づてにでも、間接的にでも。この「つて」にあたるのは光源氏であろう。光源氏を大切に育てることで、桐壺の魂と触れあうのだ。
幻 01091
幻術士。
もがな 01091
願望。