はかなく日ごろ過ぎ 桐壺04章11

2021-04-18

原文 読み 意味

はかなく日ごろ過ぎて 後のわざなどにもこまかにとぶらはせたまふ

01046/難易度:☆☆☆

はかなく/ひごろ/すぎ/て のち-の-わざ/など/に/も/こまか/に/とぶらは/せ/たまふ

はかなく日が経ち、七日七日の法事などにもねんごろに弔問の使者をお立てになった。

文構造&係り受け

主語述語と大構造

  • にも…とぶらはせたまふ 二次元構造

はかなく〈日ごろ〉過ぎて 〈[帝]〉後のわざなどにもこまかにとぶらはせたまふ

助詞と係り受け

はかなく日ごろ過ぎて 後のわざなどにもこまかにとぶらはせたまふ

  • はかなく日ごろ過ぎ→後のわざなどにもこまかにとぶらはせたまふ/接続助詞「て」は完了の助動詞「つ」より発生したもので、ある動作が完了したことが従属節で記され、その結果が主節に述べられるという形式だが、主節と従属節のつながりは弱く、英語の付帯状況に近い。そのため、背景描写に多用される。

はかなく日ごろ過ぎ 後わざなどこまかにとぶらはたまふ

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

助動詞の識別:

  • :使役・す・連用形/「せたまふ」:使役+尊敬
敬語の区別:たまふ

はかなく日ごろ過ぎて 後のわざなど に もこまかにとぶらはせたまふ

尊敬語 謙譲語 丁寧語

古語探訪

はかなく 01046

「はかなし」の「はか」は「はかどる」。順調にものごとが進み、成果が得られている状態。時間経過と成果が比例していることを表すが、「はかなし」は時間が経過しても手に入るものが少ない、あるいは皆無な状態。帝の気持ちになって語り手がとらえた表現。頼りを失った喪失感。帝の心象風景。

後のわざなどにも 01046

七日七日の法要。「などにも」とあるので、仏事に限らず、あれやこれやと更衣の母の元に使いを出したことが知られる。

とぶらはせたまふ 01046

帝が使者をお遣わしになるの意味。「せ」は使役。

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