聞こし召す御心まど 桐壺03章12
目次
原文 読み 意味
聞こし召す御心まどひ 何ごとも思し召しわかれず 籠もりおはします
01035/難易度:☆☆☆
きこしめす/み-こころまどひ なにごと/も/おぼしめし-わか/れ/ず こもり/おはします
お聞きあそばす御心は乱れ、何ごともお分かりにならず部屋へひき籠ってしまわれました。
文構造&係り受け
主語述語と大構造
- 籠もりおはします 三次元構造
〈[帝]〉聞こし召す〈御心〉まどひ 何ごとも思し召しわかれず 籠もりおはします
助詞と係り受け
聞こし召す御心まどひ 何ごとも思し召しわかれず 籠もりおはします
「御心まどひ」:受ける述語がないので、名詞ではない。連用形「まどひ」の前後で主体が「御心」と「帝」で異なるので、「まどひ」を連用中止法と考えることもできるが、古文の主体はそれほど厳密ではないので、どちらも帝と考えれば以下の叙述にかかる連用法と考えられる。その際、「まどひ」「わかれず」を並列とするか順列とするかは些末なこだわりだろう。形がともに連用形なので並列が自然か。
聞こし召す御心まどひ・何ごとも思し召しわかれず→籠もりおはします
聞こし召す御心まどひ 何ごとも思し召しわかれず 籠もりおはします
助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
助動詞の識別:れ ず
- れ:可能・る・未然形/打消を伴う「る」は可能
- ず:打消・ず・連用形
敬語の区別:聞こし召す 御 思し召す おはします
聞こし召す御心まどひ 何ごとも思し召しわかれ ず 籠もりおはします
尊敬語 謙譲語 丁寧語
古語探訪
籠もり 01035
ついに帝は絶望し、心理的にも自分の殻の中に閉じこもる。そのため政治は投げ出されてしまう。
御心まどひ 01035
体言止めともとれるが、「御心」主語+「まどひ」動詞の連用形でよい。