主上も限りなき御思 桐壺09章12
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:帝/藤壺の宮/光源氏/桐壺更衣
分岐型:A→(B+C+D→)E→F:A→E→F、B+C+D→E
《主上も限りなき御思ひどちにて》A
帝にしても限りなく愛しい同士の二人なので、
《な疎みたまひそ・あやしくよそへきこえつべき心地なむする なめしと思さでらうたくしたまへ》B・C
疎んではなりませんよ。あの子は不思議と母になぞらえたい気持ちでいるのです。無礼だとお思いにならずかわいがってあげなさい。
《つらつきまみなどはいとよう似たりしゆゑ かよひて見えたまふも似げなからずなむ・など聞こえつけたまへれば》D・E
顔立ちまなざしなど母はとてもよく似ていたので、あなたが母に見えるのも無理からぬことでなど、藤壺の宮にお頼み申し上げておられたので、
《幼心地にも はかなき花紅葉につけても 心ざしを見えたてまつる》F
幼な心にも桜や紅葉などちょっとした機会にこと寄せお慕いしているお気持ちをお示し申しあげるのでした。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った