母御息所も影だにお 桐壺09章11
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:桐壺更衣/光源氏/藤壺の宮/典侍
直列型:A→B→C→D:A→B→C→D
《母御息所も影だにおぼえたまはぬを》A
母の御息所のことは面影さえ覚えておられなかったが、
《いとよう似たまへりと典侍の聞こえけるを・若き御心地にいとあはれと思ひきこえたまひて》B・C
とてもよく似ておいでですと、典侍が申し上げたのを、幼き御心にとても恋しいと思い申し上げになって、
《常に参らまほしく なづさひ見たてまつらばやとおぼえたまふ》D
常に側へ参りたい、心うちとけ拝顔したいと願われたものです。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った