明くる年の春坊定ま 桐壺08章03
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:東宮/帝/後見人/世間/越えられない限界/弘徽殿の女御
分岐型・中断型:〔A→B→(C+D→E→)F→G|〕+〔(H→I→)J〕→K
《明くる年の春 坊定まりたまふにも・いと引き越さまほしう思せど》A・B
明くる年の春東宮がお決まりになる際にも、どうかして第一皇子を飛び越しこの宮を立てたいとお望みになるが、
《御後見すべき人もなく・また世のうけひくまじきことなりければ・なかなか危く・思し憚りて・色にも出ださせたまはずなりぬるを》C・D・E・F・G
生涯の後見役にかなう人物もまだなくまた世間がうけがうはずもなかったので、これではかえって身が危ういと察知され人目を憚りおくびにも出さなくなってしまわれたところ、
《さばかり思したれど・限りこそありけれと・世人も聞こえ・女御も御心落ちゐたまひぬ》H・I・J・K
あれほど大事になさってはいても決まりには勝てぬのだと、世間も噂し弘徽殿の女御も安堵されるのでした。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った