際ことに賢くてただ 桐壺08章21
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:帝/光源氏/相人/世間/倭相の相人/01125/宿曜の達人
分岐型:分岐型:A→(B→(C→D+E→)F→(G→H→)I→(J→K→))L:A→L、B→F→I→L、C→D+E→F、G→H→I、J→K→L
《帝かしこき御心に》A
帝はかしこき深慮から、
《倭相を仰せて》B
倭流の人相見にご命じになり、
《思しよりにける筋なれば 今までこの君を親王にもなさせたまはざりけるを》C
ご自身がつとに案じておられた事柄なので、今までこの宮を親王にもなされなかったが、
《相人はまことにかしこかりけりと思して》D
相人はまっこと神意を見抜いたものよと心に落ち、
《無品の親王の 外戚の寄せなきにては漂はさじ わが御世もいと定めなきを ただ人にて朝廷の御後見をするなむ 行く先も頼もしげなめることと 思し定めて》E
無品親王に付けたところで外戚の支援がない状態にはしておけまい。わが御世もいつまで続くかはなはだ当てにならぬものを。臣下として朝廷の補佐をすることこそが先々も頼もしかろうと、思い定められて、
《いよいよ道々の才を習はさせたまふに》F
ますます諸般の学問をお習わせになったところ、
《際ことに賢くて ただ人にはいとあたらしけれど・親王となりたまひなば 世の疑ひ負ひたまひぬべく・ものしたまへば》G・H・I
際立ってご聡明ゆえ、臣下に下すには誠に惜しいが、親王におなりになっては世の疑いを負われるは必定であると(倭相の相人が)進言するので、
《宿曜の賢き道の人に勘へさせたまふにも・同じさまに申せば》J・K
宿曜におけるその道の達人に判断をおさせになったところ同じように申し上げるので、
《源氏になしたてまつるべく思しおきてたり》L
源氏にして差し上げるのがよかろうとご決心なされた次第。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った