文など作り交はして 桐壺08章18
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:相人/光源氏
直列型:A→B→C→D:A→B→C→D
《文など作り交はして 今日明日帰り去りなむとするに》A
漢詩などを詠み交わし、今日明日にも帰途に就こうという段に、
《かくありがたき人に対面したるよろこび かへりては悲しかるべき心ばへを おもしろく作りたるに》B
相人がこのように稀有な相をお持ちの方に対面できた喜び、それだけに別れは悲しみがいや増すと、心の揺れを巧みに盛り込んだ作詩したのに応じて、
《御子もいとあはれなる句を作りたまへるを》C
御子も心のこもった対句をお作りになったので、
《限りなうめでたてまつりて いみじき贈り物どもを捧げたてまつる》D
使者はこの上なく賞賛申し上げて、数々のすばらしい贈り物を御子に差し上げた。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った