すべて近うさぶらふ 桐壺07章24
目次
原文 読み 意味
すべて近うさぶらふ限りは 男女 いとわりなきわざかな と言ひ合はせつつ嘆く
01104/難易度:☆☆☆
すべて/ちかう/さぶらふ/かぎり/は をとこ/をむな いと/わりなき/わざ/かな と/いひあはせ/つつ/なげく
誰もかれも近くでご奉仕している間は男も女も、何をお考えなのかと顔を見合わせて嘆く。
文構造&係り受け
主語述語と大構造
- と言ひ合はせつつ嘆く 二次元構造
すべて近うさぶらふ〈限り〉は 男女 いとわりなきわざかな と言ひ合はせつつ嘆く
助詞と係り受け
すべて近うさぶらふ限りは 男女 いとわりなきわざかな と言ひ合はせつつ嘆く
「男女」:「すべて近うさぶらふ限りは」の言い換え
すべて近うさぶらふ限りは 男女 いとわりなきわざかな と言ひ合はせつつ嘆く
助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
助動詞の識別:φ
敬語の区別:さぶらふ
すべて近うさぶらふ限りは 男女 いとわりなきわざかな と言ひ合はせつつ嘆く
尊敬語 謙譲語 丁寧語
古語探訪
男女/をとこをんな 01104
「さぶらふ限り」と同格。男(殿上人)が出てくるので、もはや後宮だけの問題ではなく、政治上の問題になっていることを暗示する。朝政を怠った結果であろう。
わりなき 01104
割切れない感覚。更衣の死に対する帝の嘆きが、度を超えすぎて理解不能である。
わざ 01104
もともと神意を意味し、ここでは計り知れない帝の御心とのニュアンス。
言ひ合はせ 01104
もちろん帝に聞こえないような小声で、顔を見合わせ。