すべて近うさぶらふ 桐壺07章24

2021-04-18

原文 読み 意味

すべて近うさぶらふ限りは 男女 いとわりなきわざかな と言ひ合はせつつ嘆く

01104/難易度:☆☆☆

すべて/ちかう/さぶらふ/かぎり/は をとこ/をむな いと/わりなき/わざ/かな と/いひあはせ/つつ/なげく

誰もかれも近くでご奉仕している間は男も女も、何をお考えなのかと顔を見合わせて嘆く。

文構造&係り受け

主語述語と大構造

  • と言ひ合はせつつ嘆く 二次元構造

すべて近うさぶらふ〈限り〉は 男女 いとわりなきわざかな と言ひ合はせつつ嘆く

助詞と係り受け

すべて近うさぶらふ限りは 男女 いとわりなきわざかな と言ひ合はせつつ嘆く

「男女」:「すべて近うさぶらふ限りは」の言い換え

すべて近うさぶらふ限り 男女 いとわりなきわざかな 言ひ合はせつつ嘆く

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

助動詞の識別:φ

敬語の区別:さぶらふ

すべて近うさぶらふ限りは 男女 いとわりなきわざかな と言ひ合はせつつ嘆く

尊敬語 謙譲語 丁寧語

古語探訪

男女/をとこをんな 01104

「さぶらふ限り」と同格。男(殿上人)が出てくるので、もはや後宮だけの問題ではなく、政治上の問題になっていることを暗示する。朝政を怠った結果であろう。

わりなき 01104

割切れない感覚。更衣の死に対する帝の嘆きが、度を超えすぎて理解不能である。

わざ 01104

もともと神意を意味し、ここでは計り知れない帝の御心とのニュアンス。

言ひ合はせ 01104

もちろん帝に聞こえないような小声で、顔を見合わせ。

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