大液芙蓉未央柳もげ 桐壺07章13
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉(92・93共通)
語りの対象:長恨歌屏風の楊貴妃/絵師/長恨歌屏風の芙蓉と柳/楊貴妃/桐壺更衣/帝
分岐型・中断型・反復型:A→(B→)C|D→(E→F→)~DG→H
《絵に描ける楊貴妃の容貌は》A
絵に描かれた楊貴妃の容姿は、
《いみじき絵師といへども 筆限りありければ》B
すぐれた絵師であっても、筆力には限界があるので、
《いとにほひ少なし》C
まことに生気に乏しい。
《大液芙蓉未央柳も》 D
太液池の芙蓉や未央宮の柳も、
《げに通ひたりし容貌を 唐めいたる装ひはうるはしうこそありけめ》 E
詩にいう通り楊貴妃の顔立ちを彷彿とさせるものの、唐風に装うのでは整った美を呈しこそすれ、
《なつかしうらうたげなりしを思し出づるに》F
親しみやすく愛らしかったあの方の姿や声を思い出しになられるにつけ、
《花鳥の色にも 音にも》G
花の色や鳥の鳴き声に、
《よそふべき方ぞなき》H
なぞらえ得る所は見つからないのでした。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った