これもわりなき心の 桐壺06章07

2021-04-18

原文 読み 意味

これもわりなき心の闇になむと 言ひもやらずむせかへりたまふほどに 夜も更けぬ

01071/難易度:☆☆☆

これ/も/わりなき/こころ-の-やみ/に/なむ/と いひ/も/やら/ず/むせかへり/たまふ/ほど/に よ/も/ふけ/ぬ

こんな世迷いごとも心の闇がと、言いも果てずむせ返ってしまわれるうちに、夜も更けゆく。

文構造&係り受け

主語述語と大構造

  • に…も更けぬ 三次元構造

〈これ〉もわりなき心の闇になむ 〈[母君]〉言ひもやらずむせかへりたまふほど 〈夜〉も更けぬ

助詞と係り受け

これもわりなき心の闇になむと 言ひもやらずむせかへりたまふほどに 夜も更けぬ

「言ひもやらずむせかへりたまふ」:「暮れまどふ心の闇も/01067」から「これもわりなき心の闇になむ」までを受ける。

これわりなき心闇になむ 言ひやらむせかへりたまふほど 夜更け

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

助動詞の識別:ず ぬ

  • :打消・ず・連用形
  • :完了・ぬ・終止形
敬語の区別:たまふ

これもわりなき心の闇になむ と 言ひもやらずむせかへりたまふほどに 夜も更けぬ

尊敬語 謙譲語 丁寧語

古語探訪

わりなき心の闇 01071:気持ちの整理がつかない

「わりなし」は理屈ではわりきれない気持ちの形容。娘が亡くなったのは、決して帝の寵愛のせいではないことはわかっているが、残された母として気持ちが整理できないでいる。

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