やもめ住みなれど人 桐壺05章05
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:桐壺更衣の母/桐壺更衣/命婦(語り手の推定)/里の様子
分岐型・中断型:A→B+C→|D→E→F→|:A→B+C、D→E→F
《やもめ住みなれど》 A
母君は夫を亡くしたやもめの身ながら、
《人一人 の御かしづきにとかくつくろひ立てて・めやすきほどにて過ぐしたまひつる》B・C
娘一人の養育のためにとかく邸内は数寄を凝らし、世間に恥ずかしくない暮らしぶりをして来られたましたが、
《闇に暮れて臥し沈みたまへるほどに・ 草も高くなり野分にいとど荒れたる心地して》D・E
娘を失ってからは悲嘆のあまり床に臥せ塞ぎ込んでしまわれたため、草も伸びほうだいでその上今日の野分で益々荒れた感じがして、
《月影ばかりぞ八重葎にも障はらず差し入りたる》F
月の光だけが八重葎にもさえぎられずに射し込んでおりました。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った