若宮はいかに思ほし 桐壺05章15
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉(63・64共通)
語りの対象:母君/長寿の象徴/帝/若宮/命婦
分岐型・中断型:〔A→B→C+D→E|〕+〔F→(G→)H→I→J|〕+〔K→L→M〕→N:〔A→B→C+D→E|〕+〔F→(G→)H→I→J|〕+〔K→L→M〕→N
《命長さのいとつらう思うたまへ知らるるに》 A
命の長さが大層つらく思い知られるにつけ、
《松の思はむことだに恥づかしう思うたまへはべれば》 B
高砂の松がわたくしをどう見るか想像してさえ居たたまれませんのに、
《百敷に行きかひはべらむことはましていと憚り多くなむ》 C
百官集う宮中に出入りするなどはまして憚り多いことで、
《かしこき仰せ言をたびたび承りながらみづからはえなむ》D
かしこき仰せ言を度たび承りながら、わたくし自身はいかにしても、
《思ひたまへたつまじき》E
参内を思い立てそうにございません。
《若宮は・いかに思ほし知るにか》F・G
若宮はどのようにしてお知りになってか、
《参りたまはむことを・のみなむ思し急ぐめれば》H・I
宮中に参ることばかりを願われご準備なさっておいでの様子ですので、
《ことわりに悲しう見たてまつりはべるなど うちうちに思うたまふるさまを奏したまへ》J
そうなさるのが道理ながら悲しくお見受けいたしておりますことなど、心の中で考えていることなどを内々にご奏上ください。
《ゆゆしき身にはべれば・かくておはしますも・忌ま忌ましうかたじけなくなむ》K・L・M
(娘に先立たれた)不吉な身でありますれば、このまま宮がここにあそばされるのも忌まわしく恐れ多いことで、
《とのたまふ》N
とのご返事でした。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った