ほど経ばすこしうち 桐壺05章12
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:帝/光源氏/母君
分岐型・中断型:A<B<C|+D<E<F|+G|<H:A<B<C|+D<E<F|+G|<H
《ほど経ばすこしうち紛るることもやと》A
時が経てば少しは心の紛れることもあろうかと、
《待ち過ぐす月日に添へていと忍びがたきは・わりなきわざになむ》B・C
待ち過ごす月日と共に忍び難たさが増すのは、割り切れぬ道理であるよ。
《いはけなき人をいかにと思ひやりつつ・もろともに育まぬ》D・E
年端のゆかぬお方はいかがかと思いをかけながら、ご一緒にお育てできない
《おぼつかなさを》F
心もとなさといっては。
《今はなほ昔のかたみになずらへてものしたまへ》 G
今はこのわたくしを亡き人を思い出すよすがと見なしてお出でなさい、
《などこまやかに書かせたまへり》H
などと細やかな心遣いでしたためていらっしゃる。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った