若宮のいとおぼつか 桐壺05章10
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:光の君/帝/母君/(帝の反対勢力)/命婦
分岐型:A→B+C→D→E→F:A→B+C→D→E→F
《若宮のいとおぼつかなく 露けき中に過ぐしたまふも 心苦しう思さるるを》A
若宮が何とも気がかりなまま、露深い里で泣きぬれてお過ごしになるのも、おいたわしくお思いですのに、
《とく参りたまへなど はかばかしうものたまはせやらず むせかへらせたまひつつ》B
早くご参内なさいなどと、はっきり口になさりもせず、むせ返ってしまわれながら、
《かつは人も心弱く見たてまつるらむと思しつつまぬにしもあらぬ》C
方や心弱い帝だと人も見ることだろうねと、はた目が気にならぬでもないご様子がお気の毒で、
《御気色の心苦しさに・承り果てぬやうにてなむまかではべりぬるとて・御文奉る》D・E・F
承り果てぬまままかり越した次第ですと、帝のお手紙をお渡しする。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った