いとにほひやかにう 桐壺03章05
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:御息所(桐壺更衣)/帝
直列型:A→B→C→D→E→F:A→B→C→D→E→F
《いとにほひやかにうつくしげなる人の》A
とても艶やかでかわいらしいお方が、
《いたう面痩せて いとあはれとものを思ひしみながら 言に出でても聞こえやらず あるかなきかに消え入りつつものしたまふを・御覧ずるに》B・C
ひどく面やせて、ああつらいと運命をしみじみ感じながらも、言葉に出して申し上げることもできず、生死もつかず消え入りそうにしていらっしゃるご様子をご覧になるにつけ、
《来し方行く末思し召されず よろづのことを泣く泣く契りのたまはすれど》D
後先のわきまえもなく、どんな誓いをも涙ながらにお立てになるのでしたが、
《御いらへもえ聞こえたまはず まみなどもいとたゆげにて いとどなよなよと我かの気色にて臥したれば》E
更衣はお返事を申し上げることもできず、目もとなども大層だるそうで、益々なよなよとして気を失いその場に崩れてしまわれたので、
《いかさまにと思し召しまどはる》F
帝はどうなってしまわれるのだろうと御心を取り乱しておしまいでした。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った