おはします殿の東の 桐壺10章05

2021-04-18

原文 読み 意味

おはします殿の東の廂 東向きに椅子立てて 冠者の御座 引入の大臣の御座 御前にあり

01145/難易度:☆☆☆

おはします-でん/の/ひむがし/の/ひさし ひむがし-むき/に/いし/たて/て くわんざ/の/ご-ざ ひきいれ-の-おとど/の/ご-ざ お-まへ/に/あり

帝のいらっしゃる清涼殿の東の廂の間に、東向きに玉座の椅子をしつらえ、冠者の君のお席と引入れの大臣のお席を、帝の御前に配置する。

文構造&係り受け

主語述語と大構造

  • にあり 三次元構造

〈[帝]〉おはします殿の東の廂 東向き椅子立てて 冠者の〈御座〉 引入の大臣の〈御座〉 御前にあり

助詞と係り受け

おはします殿の東の廂 東向きに椅子立てて 冠者の御座 引入の大臣の御座 御前にあり

おはします殿廂 東向き椅子立て 冠者御座 引入大臣御座 御前あり

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

助動詞の識別:φ

敬語の区別:おはします 御 御 御

おはします殿の東の廂 東向きに椅子立てて 冠者の座 引入の大臣の座 前にあり

尊敬語 謙譲語 丁寧語

古語探訪

おはします殿 01145

帝が日常に住まわれている清涼殿を指す。

東の廂 01145

天子南面で、南の廂は帝用であり、南面に次ぐ方位である東面が元服の舞台に選ばれている。昨年の東宮の元服は南殿で行われた/01143。

椅子 01145

玉座。すなわち帝の座る椅子。儀式に尊厳さをそえる。

冠者 01145

冠をつける光源氏。

引入 01145

髻を冠の中に引き入れる役割。冠を被せる役割で、生涯に渡り後見を行うものが務める。光源氏の場合は、左大臣が行った。

御前にあり 01145

ふつうは帝を指すが、ここは席の配置であるから、帝の椅子の前に置かれたことを指す。

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