源氏の君は主上の常 桐壺10章33
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:光源氏/帝/藤壺の宮/葵の上
分岐型・中断型:A→B→(C→|D→E→)F:A→B→F、C、D→E→F
《源氏の君は 主上の常に召しまつはせば 心安く里住みもえしたまはず》A
源氏の君は帝がいつも側にお召し置きになるので、心のどかに里家でお住みになることもなく、
《心のうちには ただ藤壺の御ありさまを 類なしと思ひきこえて》B
心中ではただ藤壺のお姿を最上であるとお慕い申し上げて、
《さやうならむ人をこそ見め 似る人なくもおはしけるかな》C
そうした方とこそ契りを結びたいが、似る人さえもいらっしゃらないものだ、
《大殿の君 いとをかしげにかしづかれたる人とは見ゆれど》D
左大臣の娘は、とても大切に育てられた人とは御覧になりながらも、
《心にもつかずおぼえたまひて・幼きほどの心一つにかかりて いと苦しきまでぞおはしける》E・F
情が移りそうにないとお感じになって、幼ない心は藤壺のことのみにかかり切りひどく苦しいまで思い詰めておられた。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った