いときびはにておは 桐壺10章28

2021-04-18

原文 読み 意味

いときびはにておはしたるを ゆゆしううつくしと 思ひきこえたまへり

01168/難易度:☆☆☆

いと/きびは/にて/おはし/たる/を ゆゆしう/うつくし/と おもひ/きこエ/たまへ/り

たいそう幼くいらっしゃるが、不吉なほどにきれいだと大臣はお思いである。

文構造&係り受け

主語述語と大構造

  • と思ひきこえたまへり 三次元構造

いときびはにておはしたる[若宮] ゆゆしううつくし 〈[左大臣]〉思ひきこえたまへり

助詞と係り受け

いときびはにておはしたるを ゆゆしううつくしと 思ひきこえたまへり

いときびはにおはしたる ゆゆしううつくし 思ひきこえたまへ

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

助動詞の識別:たる 

  • たる:存続・たり・連体形
  • :存続・り・終止形
敬語の区別:おはす きこゆ たまふ

いときびはにておはしたる を ゆゆしううつくしと 思ひきこえたまへ

尊敬語 謙譲語 丁寧語

古語探訪

ゆゆしう 01168:不吉な予感

この世のものとは思えない様。帝も幾度となく光源氏の美質の中に不吉なものを感じてきたことは幾度か繰り返して説明した。「ものの心知りたまふ人はかかる人も世に出でおはするものなりけりとあさましきまで目をおどろかしたまふ(ものの本質を見抜いておられるお方は、「こんな方も世に生れて来られるものか」と、常軌を超えた相に信じがたいと目を瞠はっておられました)/01023」左大臣もまたそれを感じ取る能力があり、その能力により娘の婿として東宮でなく光源氏を婿に選んだこともすでに「思しわづらふ/01153」の語釈で触れた。

きびはに 01168

幼い。

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