左馬寮の御馬蔵人所 桐壺10章21

2021-04-18

原文 読み 意味

左馬寮の御馬 蔵人所の鷹 据ゑて賜はりたまふ

01161/難易度:★☆☆

ひだり-の-つかさ/の/おほむ-むま くらうど-どころ/の/たか すゑ/て/たまはり/たまふ

左馬寮の馬と、蔵人所の鷹は止り木に止まらせて下賜される。

文構造&係り受け

主語述語と大構造

  • 据ゑて賜はりたまふ 一次元構造

〈[左大臣]〉左馬寮の御馬 蔵人所の鷹 据ゑて賜はりたまふ

助詞と係り受け

左馬寮の御馬 蔵人所の鷹 据ゑて賜はりたまふ

左馬寮御馬 蔵人所鷹 据ゑ賜はりたまふ

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

助動詞の識別:φ

敬語の区別: 賜はる たまふ

左馬寮の馬 蔵人所の鷹 据ゑて賜はりたまふ

尊敬語 謙譲語 丁寧語

古語探訪

蔵人所の鷹 01161:見守る目と呪う目

馬と一緒に、蔵人所の鷹を止まり木に止まらせた状態で贈った。乗馬も狩も公家のたしなみ。六芸(礼・楽・射・書・御・数)のうちの御(ぎょ)と射(しゃ)にあたる。これは左大臣が賜った。「例のことなり」と断りがない。「限りある事に事を添へて/01142」の「事を添へて」に当たるか。それ以外に事を添えたものはなさそうである。そうであれば、これが/01159で説明した私的応援の証となる品である。鷹が贈られることが王朝人にとってどういった意味があったか、その内包は不明だが、外延としては、朱雀帝が夢でこの父帝に睨み付けられた時の目つき(目の隠喩)と関連すると思う。源氏物語の細部と大構造は曼荼羅図のように関連しあう。

左馬寮の御馬 01161

左馬寮で飼育されている馬。

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