かうぶりしたまひて 桐壺10章10
目次
原文 読み 意味
かうぶりしたまひて 御休所にまかでたまひて 御衣奉り替へて 下りて拝したてまつりたまふさまに 皆人涙落としたまふ
01150/難易度:☆☆☆
かうぶり/し/たまひ/て おほむ-やすみどころ/に/まかで/たまひ/て おほむ-ぞ/たてまつり-かへ/て おり/て/はいし/たてまつり/たまふ/さま/に みなひと/なみだ/おとし/たまふ
若宮は加冠の儀を終えられ休息所にお下がりになり、お召し替えをすませて庭に降り帝にお礼の拝舞をなされるお姿に、皆ひと涙をお流しになった。
文構造&係り受け
主語述語と大構造
- に…落としたまふ 二次元構造
〈[光源氏]〉かうぶりしたまひて 御休所にまかでたまひて 御衣奉り替へて 下りて拝したてまつりたまふさまに 〈皆人〉涙落としたまふ
助詞と係り受け
かうぶりしたまひて 御休所にまかでたまひて 御衣奉り替へて 下りて拝したてまつりたまふさまに 皆人涙落としたまふ
かうぶりしたまひて 御休所にまかでたまひて 御衣奉り替へて 下りて拝したてまつりたまふさまに 皆人涙落としたまふ
助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
助動詞の識別:φ
敬語の区別:たまふ まかづ たまふ 御 奉る たてまつる たまふ たまふ
かうぶりしたまひて 御休所にまかでたまひて 御衣奉り替へて 下りて拝したてまつりたまふさまに 皆人涙落としたまふ
尊敬語 謙譲語 丁寧語
古語探訪
かうぶりしたまひて 01145
描かれていないが、引入の大臣による加冠の儀式は終わったのである。儀式における大臣の心境は、帝との歌のやりとりを通して後に語られる/01159/01160。
御休所 01145
清涼殿の殿上の間の南の下侍(しもさぶらい)があてられた。
御衣奉り替へ 01145
儀式様から拝舞様に服装を変える。「奉り」は本動詞で「着る」の尊敬語。
拝し 01145
帝へのお礼の拝舞。