なよびかに女しと見 056
帚木 原文 かな書き 現代語訳 第4章10
なよびかに女しと見れば あまり情けにひきこめられて とりなせばあだめく これをはじめの難とすべし
なよびか/に/をむなし/と/みれ/ば あまり/なさけ/に/ひきこめ/られ/て とりなせ/ば/あだめく これ/を/はじめ/の/なん/と/す/べし
(左馬頭)なよやかで女らしいと思えば、つい情に引き籠められるので、距離をおけば婀娜めく。これを第一の難と言うべきです。
帚木 注釈 第4章10
なよびか 02-056
なよなよして。
女し 02-056
女性らしい。
見れば 02-056
肉体関係を結ぶ。
ひきこめられ 02-056
とりこにされる。
とりなせば 02-056
間をおいて、うまくたちまわる。
あだめく 02-056
もともと気持ちを表現しない女性であったのが、急にあだっぽくなる。
はじめの難 02-056
間接的な接触の間はおとっとりした風に感じられたが、いざ会ってみるとひどく情熱的であだっぽい難点。おっとりは男性を引き寄せるための手口であった。
附録:耳からの情報処理(語りの対象 & 構造型)
語りの対象:(中流以上の)女性一般/発言者(左馬頭)
《なよびかに女しと見れば・あまり情けにひきこめられて》A・B
なよやかで女らしいと思えば、つい情に引き籠められるので、
《とりなせば・あだめく》C・D
距離をおけば婀娜めく。
《これをはじめの難とすべし》E
これを第一の難と言うべきです。
中断型:A<B<|C<DφE:A<B、C<D、E
A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用
情報の階層&係り受け
大構造(ばあだめく/四次φを…とすべし/二次
〈[女]〉〈[男]〉なよびかに女しと見れば あまり情けにひきこめられて とりなせば あだめく 〈[男]〉〈[女]〉これをはじめの難とすべし
〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]: 補 /: 挿入 @・@・@・@:分岐